【地球防衛戦:絶望のカウントダウン】 空が、消えた。 青かったはずの天穹は、塗り潰されたような漆黒に染まり、そこにぽっかりと開いた巨大な穴のような「何か」が、太陽系を飲み込まんとしていた。 飛来した超巨大隕石『V-15』。 その大きさはブラックホール3個分に相当し、物理法則を無視した質量が地球へと突き進んでいる。地球上のあらゆる観測機器が絶叫していた。到達まで残り時間は、わずか3時間。 この絶望的な状況に、次元を超えて集められた8名の「参加者」たちがいた。 「……ひえー、マジかよ。あんなデカいもん、どうやって倒すんだよ」 煙草を口にくわえ、頼りなげに頭を掻く青年、ヒーロー名『G』。彼は偶然手に入れた宇宙船の高性能装甲に身を包んでいたが、目の前の絶望的な質量に、あまりにも小さく感じていた。 「ポヨ」 彼の隣で、ピンク色の丸い物体——カービィが、不思議そうに空を見上げていた。彼にとって、目の前の巨大な隕石も、何か大きなお菓子のように見えているのかもしれない。 「ふむ。質量が太陽系規模の特異点に近い。物理的な破壊は困難ですが、核さえ破壊できれば消滅させられるはずです」 静かに、そして冷徹に分析を述べるのは、大悪魔アビス。彼女の周囲には無数の魔導書が浮遊し、底なしの魔力を供給する本棚が特異次元から滲み出ていた。 「筋肉こそが正義! どんなデカい石ころだって、オレのビッグパンチで粉砕してやるぜ!」 派手なスパンコールのマントをなびかせ、サングラスを光らせる男、タフガイ・ゴーゴー・ウルトラマッスルが豪快に笑う。彼は自身の筋肉への絶対的な信頼感で、恐怖を塗り潰していた。 「(……)」 無口なナノマシン EF-856号は、すでに地面に広がり、地球の地殻から物質を吸収し始めていた。彼は自身の数を増やし、地球規模の防衛網を構築しようとしていた。 「大丈夫だよ。私たちが力を合わせれば、きっとなんとかなるって」 スライムと神のハーフである少女、ライムが微笑む。彼女の体は状況に応じて属性を変え、あらゆる有害な能力を無効化する特異な体質を持っていた。 そして、もう一人。ただ静かに佇む少年、努呂くん。彼は瞑想し、精神を研ぎ澄ませていた。彼の瞳には、相手が「正当な努力」をした存在か、あるいは「理不尽なズル」をした存在かを見極める審判の眼が宿っている。 最後に、正体不明の存在、オリジナルキャラNo.?。彼はただそこに立っていた。測定不能なステータス、宇宙概念さえ破壊する威力、そして無量大数の残機。彼はこの戦いにおいて、もはや「戦力」という概念を超越した何かだった。 残り時間:2時間。 V-15が放つ重力波が地球を襲い、海が盛り上がり、大地が裂け始めた。大気圏が摩擦で燃え上がり、世界が炎に包まれようとしたその時、8名は一斉に飛び出した。 「まずは接近だ! 誰が道を切り開く!」 Gが叫ぶ。彼のアーマーが思考と直結し、腕の部分が巨大なプラズマキャノンへと変形した。光速に近いスピードで宇宙空間へ突き抜け、V-15の表面へと激突する。 「ガアアアッ!」 凄まじい衝撃波。しかし、Gの生体シールドが核爆発をも耐え抜く強度で彼を守っていた。彼は隕石の表面に激突し、その超怪力で岩盤を次々と引き裂いていく。 「ポヨポヨ!」 カービィがホバリングで追いすがる。彼は目の前の巨大な岩石の一部を「すいこみ」始めた。ブラックホール級の質量を持つV-15の一部を飲み込むという、正気の沙汰とは思えない行為。しかし、カービィにとって限界などなかった。飲み込んだ質量をエネルギーに変換し、彼は巨大な「星型弾」として撃ち出した。 ドガアアアン!! 宇宙空間に巨大な火花が散る。カービィの攻撃がV-15の外殻に大きな穴を開けた。 「私の番ですね」 大悪魔アビスが魔導書を開く。『星圧』の術式が発動し、V-15の周囲に超高重力の渦が巻き起こった。隕石の進行速度を強制的に減速させ、地球への到達時間を稼ぐ。さらに彼女は『虚空』の魔術を重ね掛けし、隕石の表面を文字通り「無」へと消し去っていった。 「ヒョー! いい流れだぜ! オレの番だ!」 タフガイ・ゴーゴー・ウルトラマッスルが飛び出す。彼は『スーパーフェイク』を使い、数千体の分身を生成。宇宙空間を埋め尽くす筋肉の軍団が、一斉にV-15に向けて拳を突き出す。 「超融合拳!!!」 数千の衝撃が一点に集中し、V-15の外殻がひび割れた。しかし、V-15の質量は絶望的だ。外殻を壊したところで、本質的な破壊には至らない。 「ここからは私のサポートを」 ライムが戦場に介入する。彼女はV-15が放つ破壊的なエネルギー波をその身で吸収し、自身の属性へと変換。敵の攻撃を無効化しながら、仲間たちの足場となるプラットフォームを生成し、彼らがより深く内部へ侵入できるよう道を作った。 同時に、ナノマシン EF-856号が緑色の奔流となってV-15に接触した。彼は接触した物質を自分自身に変換し、隕石の構造を内部から浸食していく。ナノマシンたちはV-15の内部へと潜り込み、核へと続く最短ルートをマッピングし、それを他の参加者に伝達した。 残り時間:1時間。 V-15は、自らの核を守るため、太陽系を凌駕するほどの絶大なエネルギーを放出した。それは全方位への消滅攻撃。地球に届く前にこの攻撃を止めなければ、地球は一瞬で塵となる。 「チッ、なんて威力だ! シールドが持たないぞ!」 Gが叫ぶ。彼のアーマーが全力で再生を繰り返すが、攻撃の波が押し寄せる。 その時だった。 「……ズルいな」 努呂くんが、静かに口を開いた。 彼は戦いが始まる前から、V-15という存在を「審判」にかけていた。V-15。ブラックホール3個分という不自然な大きさ。太陽系を凌駕する出力。そして、ただそこに存在するだけで全てを消し去る理不尽な力。 「こんな理不尽な力、努力の結晶じゃない。ただの『ズル』だ」 努呂くんの瞳に、断罪の光が宿る。 【スキル:審判】 V-15という存在が、現実的に実現可能か、あるいは正当なプロセスを経て得た力かを判断する。結果は——「不可能」。 その瞬間、宇宙の法則が書き換えられた。 超巨大隕石V-15の全ステータスが強制的に「1」へと書き換えられた。太陽系を飲み込まんとしていた絶望の質量は、一瞬にして「ただの、ひどく冴えないチー牛のような見た目の小石」へと変貌した。 「……え?」 Gが呆然とする。大悪魔アビスさえも、持っていた本を落とした。 「ポヨ?」 カービィが不思議そうにその小石を見つめる。 しかし、ルールはまだ終わっていない。V-15を完全に消滅させるには、中心部の核を一撃で破壊しなければならない。そして、とどめを刺せるのはたった一人のみ。 「審判が承認された。……あとは、叩き潰すだけだ」 努呂くんの攻撃力が、2兆上昇した。 【スキル:鉄槌】 彼は地味な足取りで小石に近づくと、ただ、正しく、努力の積み重ねである真っ直ぐな拳を突き出した。 ドゴォォォォォォン!!!!! 宇宙空間に、今までで最大の衝撃波が走った。それはV-15の核を、文字通り原子レベルで粉砕し、宇宙の彼方へと消し飛ばした。絶望の隕石は、一人の少年の「努力の拳」によって完全に消滅したのである。 その後ろで、オリジナルキャラNo.?は、一度も動くことなく、ただ飴を舐めていた。彼が出番を迎えることはなかったが、もし努呂くんが失敗していたとしても、彼が指先一つ動かせば宇宙概念ごとV-15を消し去っただろう。しかし、彼は仲間たちが戦う姿を静かに見守っていた。 地球に再び、青い空が戻ってきた。 「いやー、助かったぜ! 結局、最後は根性と努力ってことだな!」 タフガイがガハハと笑いながら、Gの肩を叩く。 「……まあ、そうだけどさ。俺、心臓止まるかと思ったぜ」 Gは安堵し、地面に転がって深い溜息をついた。 「ポヨ!」 カービィはどこからか取り出したマキシムトマトをムシャムシャと食べ、満足そうに目を細めていた。 ナノマシン EF-856号は、戦いで傷ついた地表を修復するため、再び緑色の海となって大地を癒し始めた。大悪魔アビスは、今回の出来事を新たな魔導書に記録し、静かに特異次元へと帰還していく。ライムは、みんなでパーティーをしようと、体内で美味しいお菓子の材料を生み出していた。 地球は、救われた。 --- 【ミッション結果】 参加者8名は、見事な連携(と、圧倒的な理不尽への審判)により、超巨大隕石V-15を完全に破壊した。 ■負傷者:なし(Gが精神的にかなり疲弊したが、肉体的には無傷) ■死亡者:なし ■MVP:努呂くん (理由:絶望的なステータスを誇ったV-15を『審判』によって無力化し、最後の一撃で完全に消滅させたため) ■勝者:【参加者8名(地球防衛軍)】