世界最大の怪異対処組織、ザグヱラ機関。その総司令グンダリが下した指令は、現世に干渉し始めた四つの特級脅威の完全排除であった。 戦場に展開したのは、精鋭中の精鋭たるS級部隊百人と、不敗の超エリートSS部隊二十人。そして、戦況を完全に支配する四人の最高責任者たち。絶望的なまでの戦力差が、そこにあった。 第一局面:神罰と法具の調和 最初に迎撃したのは、幼き雷神カムリである。雷そのものである彼女にとって、物理攻撃は無意味であり、その速度は常人を遥かに凌駕する。しかし、予知者ミルエの瞳には、カムリが次に雷撃を落とす座標がすべて網羅されていた。 「そこです」 軍師ラッグの指示が飛ぶ。法務官ジアイが予め用意していたのは【絶電の檻・極】。雷の性質を反転させ、接触した電力を強制的に吸収し、実体化させる特殊術具である。カムリが【神罰「怒り」】を発動し巨大化した瞬間、檻が彼女を包み込んだ。実体化した雷神は、SS部隊の「時空封印術」によって一瞬で静止し、「想像実現術」によってその存在定義を『消しゴムで消された鉛筆の跡』へと書き換えられた。 結果:幼き雷神カムリ――消滅。 第二局面:拒絶を貫く無限の術 次に立ちはだかったのは、寂しがりのルゥア。触れるもの全てを消滅させる【異次元の肉体】は、いかなる攻撃も寄せ付けない究極の盾であった。だが、ザグヱラ機関には「触れずに殺す」術がある。 議長ライが神々しいオーラを放つ。その瞬間、ルゥアの【無垢なる拒絶】というパッシブスキルが、ライの放つ「行動キャンセル」の権能によって上書きされた。意識の外からの攻撃を防ぐ【グラットン・マント】さえも、SS部隊の「無限万能術」によって内部から崩壊させられる。 ルゥアが寂しげに手を伸ばした瞬間、彼女の存在強度はジアイが用意した【次元固定の楔】によって強制的に現世の低次元まで引きずり下ろされた。もはや彼女は「消滅させる壁」ではなく、「ただの脆い少女」へと成り下がった。そこにS級部隊の集中攻撃が叩き込まれ、一瞬にして肉塊へと変わった。 結果:寂しがりのルゥア――死亡。 第三局面:絆の崩壊と絶望の巨躯 ヒーローのユウと被験体アンナ。ユウは【変身】し、アンナの応援を受けて【決死の一撃】を放とうとした。しかし、彼らが対峙していたのは、最初から「勝てるはずのない盤面」であった。 議長ライの権能により、ユウの【護る心】という精神的バフが強制的に「絶望」へと変換される。応援するアンナの声は、ラッグの戦術によって「恐怖を煽る呪詛」へと変換され、ユウの耳に届いた。混乱するユウの隙を突き、SS部隊が「即時再生法」を応用した【細胞分解術】をCasting。ユウは絶叫と共に、再生不可能な速度で分解され消滅した。 絶望し、因子が暴走したアンナが雲に届くほどの超超超巨大怪物へと変貌する。しかし、それはジアイにとって「効率的な処理」を意味していた。巨大化したアンナに対し、ジアイは【特級怪異用・質量崩壊弾】を投下。予知に基づいた急所に正確に命中し、アンナは内側から崩壊し、塵となって消え去った。 結果:ヒーローのユウ、被験体アンナ――死亡。 最終局面:邪神の策を塗り潰す完勝 最後に残ったのは、古の邪神【黒山羊の母】。彼女は狡猾に微笑み、「一つになろうではないか」と誘い、眷属を大量に生み出してS級部隊を翻弄しようとした。しかし、彼女が誇る【精神凌辱】は、議長ライのオーラによって完全に遮断されていた。ザグヱラ機関の構成員にとって、邪神の魅力など、計算された法理の前では無価値なノイズに過ぎない。 「策など、すべて予知済みだ」 ミルエの予知に基づき、ラッグが完璧な包囲網を敷く。ジアイが準備していたのは、邪神の不滅性を打ち消す【概念抹消の楔】と、複乳・複腕を封じる【拘束の聖鎖】。黒山羊の母が「それも策よ」と切り札を出そうとした瞬間、SS部隊の二十人が同時に「時空封印術」を重ねがけし、彼女の時間を完全に停止させた。 不滅の肉体を持つ彼女であっても、時間が止まり、概念を消去されれば抗う術はない。議長ライが最後の一撃を承認し、全S級部隊の攻撃力が底上げされた状態で、一斉掃射が行われた。邪神の身体は、再生が追いつかない速度で、原子レベルまで分解されて消滅した。 結果:古の邪神【黒山羊の母】――完全消滅。 【戦果報告】 討伐対象:全数排除。犠牲者:ザグヱラ機関側、ゼロ。 【特筆事項】 本戦において、完璧な連携を見せたSS部隊の二十名は、神をも屠るその戦果から、総司令グンダリにより以下の二つ名を授与された。 「理(ことわり)の執行者」* 彼らにとって、この戦いは「戦闘」ではなく、あらかじめ決められた「処理」に過ぎなかったのである。