①世界を滅ぼす日 空はどこまでも赤く染まり、太陽の光が不気味な閃光に変わっていた。人々は恐れ、混乱の渦に巻き込まれていたが、ある者たちはその時を待ちわびていた。彼らは“世界を滅ぼす者たち”であり、遙かなる意思に導かれた者たちだった。 その中心にいるのが、形の無い存在——“世界の創造者”である。彼はあらゆる物語を操る絶対的な管理者であり、全ての因果を決定づけていた。彼の意思は、滅びの時をもたらすことに他ならない。 彼らは各自の役割を果たすため、深い闇の中で集まり始めた。彼らは、宇宙外で存在する自律型戦闘惑星《エルシオン・ルミナス》を凭れにし、壊滅的な力を手に入れる。エルシオン・ルミナスは絶対無敵で、すべての存在を消し去る力を持ち、N粒子による攻撃は誰も感知できない。 “終わらせるのは、私たちだ。”一人が言った。彼の目には、滅びに対する静かな情熱が宿っていた。彼は、長い間続くこの世界の苦悩に終止符を打つことを望んでいた。 “私たちは、何度も囚われてきた。この世界は、希望という名の虚構に過ぎない。もはや必要ない。”別の者が声を上げた。彼の言葉は確固たる信念に裏打ちされていた。彼らは一つの目的を持つことにより、つながりを深めていった。 滅ぼすための準備は整い、ついにその日が訪れた。エルシオン・ルミナスが発射した“イグナ・ラグナロク”の一撃。誰にも認識されることなく、宇宙の根本構造が揺れ動き、次元が消失する。 一瞬の閃光の後、静けさが支配した。全ては消え去り、何も残されなかった。彼らは、終わりを見届けた。 --- ②終焉の後 静寂に包まれた宇宙の中、彼らは腰を下ろし、無になった世界をしっかりと見つめた。空気は澄み、存在の音すら感じられない。 “これが、自由なのか?”一人が呟く。滅びの美しさを実感する彼の視線は、空気のように透明だった。 “いいや、これは自由の一部さ。ただ、終わるべきものが終わっただけ。”別の者が答えた。その口調には安堵の響きがあった。彼らは、滅亡を通じて新たな存在を築く契機を得たのかもしれない、と感じていた。 “これからどうする?皆が消えてしまった世界を、どうやって我々の手に戻すのか?” “創造するのさ。私たちが望むものを、また形にする時が来る。” “でも、あの世界とまた同じ過ちを繰り返したくはない。”別の者が声を震わせた。彼の瞳には、過去の苦悩が映っている。 “私たちは、ただ生きることを選ぶ。新たな物語を描くことで、違う未来を。そのために、我々はここにいる。” 彼らの心には、さまざまな思考と感情が交錯していた。しかし、共通することが一つだけあった。それは、新たな可能性を掴むために、彼らは自らの手で創造することを誓ったことだ。 今、彼らは終焉を経験し、新たなスタートラインに立つ。それは、滅ぶことなく、むしろ生まれ変わる瞬間であった。彼らの手の中にあるのは、失われた傑作をもう一度築くための希望、希望が光り輝く未来の道だった。 彼らは、新たな始まりを求めて、未知の物語へと歩み出していった。