西園寺真珠は、街の中心部で獣の群れが暴れ回る光景を見つめていた。亜麻色の髪を揺らしながら、彼女は変身呪文を唱える。 「システムマギカスタンバイ☆泡沫の世界、今こそ輝いて♪」 次の瞬間、光が彼女を包み込み、シルクの尾ひれを持つ美しい魔法少女へと変身した。彼女の姿は、まるで海の精霊のようで、見る者を魅了する。 「みんなのために!」 真珠は自信を持って叫び、百合の雫を手に取った。このステッキは、彼女の強大な魔法の力を引き出すものである。 その時、不気味な唸り声が聞こえた。視線の先、獣たちの中でも特に目立つ存在がいた。「隠者の獣」である。二足歩行の蜥蜴のような姿をしたその獣は、布で顔を隠していて素顔は不明だが、その四本の腕にはそれぞれ剣や鎖を持っていた。 真珠は心に強い決意を抱き、仲間を求めた。 「朔、早く来て! あれが隠者の獣よ!」 その声に呼応するように、技戦朔が姿を現した。異なる能力を持つ二人は、互いの力を合わせることで敵に立ち向かうことができる。 「お前、神のこと何も知んないだろ?」 朔は冷静に言った。彼は神界を司る神であり、無限の生命を持つ者だ。朔は極魔素刀「魅徹」を引き抜く。 「ここからが本番だ。俺に続け!」 獣たちが襲いかかってくる。その中には、鎖を振るう者、刃を構える者がいる。彼女の『想いの力』が、少しずつ貯まっていくのを感じられる。 まず、前方にいる最初の獣に対して真珠は百合の雫を掲げた。 「ほら、見て!」 波紋が広がり、癒しの霧が発生した。しかし、獣はその霧に驚かず、真珠を狙ってきた。 朔は素早く動き、光速の斬撃を放った。「神・通り魔!」 彼の刀が空気を切り裂き、獣の一体が真っ二つに切断された。血しぶきが舞い上がり、周囲が静まり返る。 「みんなのために!」 真珠はさらに百合の雫を使い、強力な魔法を発動させた。「流されないで!」 大津波が発生し、周囲の獣たちは流されてしまう。だが、隠者の獣はその波をかいくぐり、さらなる攻撃を仕掛けてきた。 「くらえ、獣たち!」 朔は獣の一群に向けて、二刀流で斬撃を続けた。次々と獣を切り裂き、その数を減らしていく。迫り来る隠者の獣に対して、真珠は恐怖を感じるが、彼女の心には『想いの力』が満ちていた。 「こちらですわ!」 真珠はシルクの尾ひれを使って、高速遊泳して隠者の獣に接近した。そして、瞬時に彼の方へ百合の雫を発動させた。「ほら、見て!」 また霧が広がり、隠者の獣の視界を奪った。 その隙に朔が攻撃を続け、その瞬間、獣の一体がまた一撃で倒した。「まずは小物を蹴散らす!」 朔が叫ぶと、周囲の獣たちも次々と朔の斬撃により倒れていく。 しかし、隠者の獣は素早く透明になり、防御体勢を取った。姿を消した獣が、再び攻撃を開始するまさにその瞬間、朔は次の能力を使った。「弱体・分質!」 隠者の獣の力を削ぎ、攻撃力を奪う。すると、一瞬、隠者の獣の存在がぼやけ、動きが鈍くなった。それが朔の読みどおりの効果だった。 「今だ、真珠!」 朔の声に応じて、真珠は再び魔法を発動する。「それは泡沫となり消える!」 周囲の空気が澄み渡り、悪意が泡となって消えていくように見える。周囲には癒しの霧が満ち、その影響で獣たちの攻撃すら無効化されていく。 隠者の獣は驚愕し、何度も剣を振るうが、朔はそれを軽々とかわし、真珠の技が通る瞬間を待つ。 「恩返しをするぞ!」 朔はあらためて獣へ斬撃を浴びせかけた。 「流されないで!」と真珠が再び叫び、さらに大津波を引き起こす。さまざまな獣が押し流され、隠者の獣でさえもその流れに抵抗することはできなかった。彼女たちの連携は最強の武器だった。 数体の獣を倒し、獣たちの行動が鈍くなる中、隠者の獣が再びこちらに襲いかかってくる。その咆哮は街中に響き渡る。「恐れないで、私たちがいる!」 真珠は仲間たちに声をかけながら、両手を力強く上げた。 「世界を修正する魔法発動!」 再び百合の雫を使い、真珠はその力を解放する。あたりに光が溢れ、周囲の獣が苦しむ姿が見られた。「呪いを受けた者たち、今こそ私たちの力を見よ!」 真珠の声が響き、青い泡が無数に舞う。 「きたか…!」朔は次の動きへと流れ込んだ。「遍在・獄!」 彼は空間を裂き、獣たちが朔の周囲にいる間に次々と攻撃を繰り出した。隠者の獣に接近する隙を見せながら、朔は自らを捨て、ひたすらに攻撃を続ける。 その時、真珠は彼女の心の中で『想いの力』が完全に蓄積されるのを感じた。「この瞬間こそ、私の奇跡!」 最後の力を振り絞り、真珠は全力で振りかぶった。 「それは泡沫となり消える!」 堰が壊れるかのように大量の泡が出現し、周囲の獣を包み込んでいく。 隠者の獣もその泡に飲まれ、姿を消し去られていく。 「やったわ!」 二人は勝利を確信し、獣たちもまた力尽きて倒れ込む。果てしない戦闘を経て、朔と真珠は息を整えた。 「全員、何匹やっつけた?」 真珠は周囲の獣たちを数える。彼女の心に希望が満ち、仲間に視線を向けた。加えて強大な獣、最悪の敵であった隠者の獣が完全に倒れた。 「15匹だ。」 朔は、勝利の余韻を感じながら言った。 戦いは終わり、彼女たちは共に勝利を手にし、街は穏やさを取り戻した。彼らの力と『想いの力』は、しっかりとこの場所に留まっていた。