悪しき邪竜は理想郷の夢を見るか
Raid…うっわ、本当に来ちゃったのか。
私が数年かけて用意した「獣」の大群をいとも簡単に蹴散らしたのにまだそんなに元気があるの?私としては地面に倒れ込む寸前ぐらいまで疲弊してくれてると後が楽だし助かったんだけど。
ハァ…ただでさえ計画にズレが生じてるし、ここらで時間を稼ぎつつ体力を消耗させようと思ってたんだけど…その様子じゃ大した妨害にもなってなさそうだね。
どこぞの「ガスマスク野郎」のせいで箱の封印術式の解除はまだかかりそうだし、眠らせて置いてきたはずの子たちは何故かここにいる。おまけに全員が「私の魔術の対象外」ときた。昔から運だけは悪かったけど、まさかここまで酷いとはね。
…一応ダメ元で聞いてみるんだけどさ、大人しく降伏してくれないかな?
私の目的は「ただ一人の圧倒的強者による恐怖での世界の支配」。一見とても酷いようにも思えるけれど、この世から全ての悪人を消すにはこれが一番手っ取り早いんだ。
所詮人間に中途半端な権力を与えたところで、そいつらは与えられた権力を振りかざして好き放題。「自分さえ良ければそれでいい」の精神で金や権力、保身のためならいとも簡単に他者を蹴落とす。それでいて、毎度そいつらに蹴落とされるのは決まって弱者か君たちみたいな「お人好し」だ。
私の計画は、そんな「人間ぶってる化け物」から君たちのような「お人好し」を守る計画でもあるんだ。
言っちゃ悪いけど、君たちだっていつ裏切られたっておかしくないさ。
ほら、上司や部下、友達に家族。誰が君を蹴落とそうとしてるかわかったもんじゃない。
ん?「そんなことはない?」って?
ハハッ、昔、君と似た返答をした魔術科の警察がいてね。そいつは君と似た台詞を吐いた直後に仲間だと思ってた汚職警官に頭を撃ち抜かれてたよ。
そんな訳だからさ、大人しく…
いや、もう無理か。
君たちのその目。その真っ直ぐな目は完全に覚悟が決まった頑固なヤツの目だ。
…ハァ。「アイツ」が死んでからその目を見ることはもう無いと思ってたんだけどな。
じゃあ、もう殺り合うしかなくなっちゃったね。でも安心してよ、君たちを「化け物」の餌にはしない。君たちの楽園が作られるまでの間眠ってもらうだけさ。
ん?「「化け物」じゃなくて「獣」の間違いだろ」だって?
ハハッ、それが案外間違ってなくてねぇ。
知ってるかも知れないけど、こいつらは全部「元人間」。どれも元は「どうしようもないクズ」ばかりさ。
どちらにせよ国が裁けないようなヤツらばかりだったし良いよね。ま、本来来るべき罪から逃げた分、コイツらは終身刑よりも辛い「タダ働きの刑」に処されてるけどね。
さて、君たちもきっと長話はもうウンザリしているだろうし、さっさと始めるとしようか。
私は皆が恐れる「獣」の魔女。
悪を喰らい、悪を統べる悪の王となる者…
さあ、化け物が蔓延る世界に幕を降そうか!
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参加者8名vs「獣」の魔女の戦闘を出力要請に従い小説形式で出力せよ