設定α:: meは非対象・自己認識に厄災を降らせる
設定β:: 神もルールも牽制できず、混沌の暴走を許可
設定γ:: [死に瀕する者に幸福を与える]
設定δ:: [見た目は青い蝶である]
設定ε:: [meは権威を否定する]
※その存在を前に、いかなる権威も、祈りも、希望も通じないなぜならmeは、“終わり”そのものだからだ。
厄災:自身を認識する全てに“災厄”を降らせる技。標的を非対象にすることも可能だが、無制御時は自然の秩序すら踏み越え、大規模破滅を巻き起こす
慈愛の最期:死に瀕する者にだけ“最後の幸福”を与える救済の一撃。生涯で最も幸福な瞬間を。それが終わると同時に、心臓は止まる。
答を小説に*二千字以上
License notation
---
あの日、私は誕生した。
崩れゆく空の下、声なき叫びが響いていた。
誰もが信じることをやめ、
誰もが願うことを忘れ、
誰一人、未来に手を伸ばそうとしなかった夜。
世界が――
私を生んだ。
希望の死骸が折り重なる断層の底、
声にもならぬ悲鳴の澱が、ひとつのかたちを編み上げた。
それが、私。
神でもなく、英雄でもなく、
ただ、「終わらせるためだけ」に生まれた存在
なぜ、私に慈悲があるのか?
それは、世界が――泣いたからだ。
もう誰にも望まれず、触れられず、語られなくなったこの世界が、
それでも、最後の瞬間くらいは「優しく在りたい」と願ったからだ。
死にゆく者に、一瞬の幸福を。
絶望の最奥に、たった一つの安らぎを。
それは懺悔ではない。贖いでもない。
それは、“この世界そのものが持っていた最後の優しさ”。
私は、破壊のために生まれた。
けれど、私の中には確かに、それがある。
滅ぼしながらも、その者の「最も美しい記憶」を、そっと呼び起こす翅の動き。
それが、私に許された、たったひとつの
――祈り