死闘の果てに何を得ることが出来るのか……? 〇〇者、その名の真意に込められた本質的な疑問である。 打倒者は穿つ、何度も敵を打倒する。 ___そして、 フウタローの肉体が幾度も地面に打ち倒されていく。 強制的にして、絶対的にして、不自然的なまでの"打倒"という結果の押し付け。彼女の肉体が果てなき死闘の末、敵を打倒する。 ___ドガアアン……ッ! 山田風太郎という男は…、いや……#_@ejtは、理解が追いつかなかった。避けた筈の拳が鼻先に迫り来る、防いだ筈の一撃が腹部を穿つ、予測を裏切った現実に理解が追いつかないでいた。 「フウタロー……ッッ!!!」 打倒者の拳が敵の顔面を殴り飛ばす、あまりの衝撃に道路が四方に割れる。敵はフラつく足取りで後退する、再び打ち出した拳が敵を地面に撃ち落とす。 ___ダァアアン……ッッ!! フウタローは、地面に大の字になるようにして倒れた。打倒者の手が地面に彼を押しつけては引き剥がす事ができない。 「どうしたのです!、まだ貴方の力はこんなものではない筈ですよ…!」 怒りの表情、打倒者の腕に力がこもる、地面が更なる暴力に耐えられずカチ割れた。フウタローは血を吐いた、打倒者と地面の板挟みに潰された両肺から吐血する。 「が……ぁ…、あ…」 言葉が上手く出せないでいた、喉を潰されてしまったかのようにフウタローは声を出す事が出来ないでいた。その様子に、打倒者は苦虫を噛み潰した。 「なんで………、どうしてよ……。」 打倒者は失望した、この程度の相手を望んでいた訳では決してない。口元を噛み結ぶ、どうにも言い表せない感情に悲しみの表情を浮かべ、顔が悔しさに歪んでいた。 打倒者は、溜息を吐いて敵を拘束する腕を退けた。 「はぁぁ………………………。」 それは、とても長く、非常に辛い溜息であった。 「フウタロー……、いえ……0m#px、今回は見逃します。しかし、次は決してありませんので……。」 打倒者は煮え切らぬ想いと共に"残骸"へと背を向ける、仕方ない……今回は私の方で対処にあたるとしよう。 と、打倒者が考えていた時の事であった。 打倒者は、数歩先で立ち止まる。そして、とある違和感に振り返る。 ___打倒者の瞳、一瞬の輝きを帯びた。 「ふふっ……。」 打倒者は、嬉しそうに笑みを溢した。それは、とても美しくも恐ろしい好敵手に対する笑みである。 「えぇ……、そうです。それでこそ貴方です、フウタロー…!」 敵は震えた四肢で立ち上がり、内臓に溜まった血を地面に吐き捨てた。その目は、こちらを凝視している。未だに衰えを知らぬ闘志がこちらを睨んでいた。 ……素晴らしい!、という言葉が無意識のうちに打倒者から溢れていた。 敵が構えた、その拳に迷いはなく、躊躇はなく、慈悲はない。 えぇ、それでこそ……、 ___そう…! だからこそ!、私は貴方を全力で打ち倒そう…ッ! 打倒者の釣り上がった頬、それと違わぬ程に両拳を構え上げてみせる。私は、賞賛すべき、評価すべき、これでもかと価値があると声高らかに挙げるべき相手、ひいては今この瞬間に居られる事を歓喜する。 打倒者は構える、敵へと構えたのだ。弱く拙く呆れる程の強敵に威を示そう、感謝を示そうと拳を打ち出した。 ___死闘の果てに、何を得る……? その問いかけの答えを、未だ両雄は知る由を得なかった。 https://ai-battler.com/character/451258f4-248a-4bc0-a61c-a4b8d001fcdf