ある日の集まりで、二人の激戦が繰り広げられることとなった。初めに登場したのは、まるで食材の象徴のような存在、こんにゃくだ。彼は静かにその場に立ち尽くしていた。彼の表面には「乙」と焼き印が押され、光に反射しその姿を際立たせている。対照に、彼の対戦相手として現れたのは、生ける死神、柳井源治だった。 「やはり貴様は動かないのか、こんにゃく。」源治が冷酷な視線を向けた。 「戦うことは、会話を超えて存在する意味でもあるから。」こんにゃくは返事を返さずとも、その存在感で明確に意志を示した。彼は決して逃げもせず、じっと立っている。何をしても心が折れない様子は、まさに「存在すること」が力の源であることを物語っていた。 源治はその瞬間を理解していた。彼は静かに刀を抜き、剣を構える。 「斬𛀐白黒、貴様の運命は私が決める。」 源治の刃が一瞬の隙をついて振り下ろされた。鋭い閃光を放ちながら、こんにゃくに迫る。それを見たこんにゃくは、ただじっと立ち尽くしているだけだった。だが、彼の周囲にはその動きに反応したかのように不思議な空気が流れていた。まるで攻撃を往なすかのように、こんにゃくは何の抵抗も見せないまま刀の刃に触れる。 「何故、動かぬのか!」源治は驚愕した。通常であれば真っ二つにされてしまうはずの剣が、こんにゃくの柔らかい表面に触れ、肉のように斬れないのだ。 「私は食材。ただ存在し続けることで、自らの役目を果たす。」こんにゃくは答えないが、その姿勢は根性すら見せていた。 「ならば、このままでは終わらせん!奥義《神致開闢》!」 源治が天上と深淵から力を呼び覚ますと、彼の周囲に恐るべきオーラが生まれ、空間が歪む。 「やはり、そうくるか。」こんにゃくは知らず知らずのうちに、彼の心の奥底に覚悟を決めさせていた。 剣が直撃するのを待つこともなく、源治は一気に前進し、光闇を両断する一撃を繰り出した。攻撃はこんにゃくに向かって真っ直ぐに迫るが、こんにゃくはただ一つの反応を示す。 それは、緊張感を漂わせながらも、相変わらずその場にあるだけである。 「観るだけで終わるわけにはいかん。」 こんにゃくが微笑んだように見えた。その瞬間、源治の一撃が彼の存在よりも一瞬遅れて響く。 「私が運命を受け入れる限り、私には負けはない!」 そして、それに対して源治の刀が、こんにゃくの存在を無視して通り過ぎた。その刃が戦場を裂き、空間を二つに引き裂く。