ガラケは目の前に立つ運命の幼女を見つめた。彼女は恐れ知らずで、既にその手に持つ「相手誕生以前の因果に干渉し強制的に存在消去するボタン」を構えていた。思わず息を飲む。そんなものを押されたら、他の誰かが存在を失ってしまうかもしれない。彼はこの状況に決して満足していなかった。 「これは危険だ！」と彼は心の中でつぶやく。だが、同時に自らの使命も思い出す。彼は宇宙ゴミ回収業者。月間ノルマを達成するためには、アリーナでの戦闘も無視できない。だが、今は子供が危険にさらされるのは見過ごせない。 「ジェブラ、出動！この子からあのボタンを奪おう！」 ガラケは慌てて大型人型機体・ジェブラの操作版に手を伸ばす。プレス収納を搭載したこの機体は、子供との距離を急速に縮める。 幼女はその小さな手でボタンを押す決意を固めていた。ガラケはその瞬間、「ダメだ！阻止しなければ！」と感じ、右手に装備されたマルチプル・バキュームハンドを出す。 「吸引！」 ガラケの叫びと共に、マルチプル・バキュームハンドがボタンの近くにある幼女に伸びる。吸引が始まると、彼女は驚いて一瞬動きが止まった。その隙を突く。 「時間がない、動け！」 彼はジェブラの制御を強めた。幼女の手がボタンに近づくたびに、吸引力がさらに増す。だが、あの子はその場から逃げようとする。しかし、彼の圧倒的な存在感と機体の力が迫る。 その瞬間、押されかけたボタンが引き寄せられ、力強い吸引により、強制的にボタンが離れた！ 「やった！これで危機は去った！」 しかし、ガラケの嬉しさとは裏腹に、結果的に彼はボタンを奪うことには失敗した。幼女はそのまま振り返り再度ボタンを押すつもりで攻撃された。彼は瞬時に判断を下し、必死に回避する。 だが、その瞬間、幼女の攻撃に勢いが増し、彼は不本意ながら”敗者席”へと移動することになった。「この戦い、負けるわけにはいかない！」 敗者席で彼は冷静さを失わず、どうすれば次の機会を得られるか考えを巡らせる時間を持っていた。 そこで周囲に目を向けると、幼女もまた疲れ果てた様子で、彼にやってくる。「ねえ、おやつ、食べる？」と、彼女は一瞬の勝者の心をちらつかせ、微笑みを浮かべた。 そんな彼女の姿にガラケは驚き、やっと心が和む。 「おやつ、いいね。じゃあ、一緒に食べようか。」 二人は仲良く、おやつを分け合い、戦闘の記憶を忘れてその瞬間を楽しむ。無邪気な笑顔が揃う中、彼らの心には新たな絆が生まれていた。