冥界の最奥、奈落の中で、"奈落の蜘蛛・死の魔法少女"黒宮 奈落と、情に熱い英雄【神浄の討魔】上条当麻が交わる運命的な戦闘が始まる。場所は、死の気配が漂う霧深い広間。太く揺れる蜘蛛の糸が、彼女の背後で不気味に光り、黒宮は冷酷な眼差しで上条を見つめる。 「ふふ、貴様には“死”という運命を与えよう。死に抵抗すること自体が愚かな選択なのだ。」 奈落は一歩前へ進むと、背中から生えた八つの足が深い陰影を作り出し、その先には彼女の象徴である死の鎌が光を受けて煌めく。まるでこの世のものとは思えない威圧感が辺りを包む。 対する上条は、情熱的に胸を張る。 「お前の思惑通りにはさせない!」 彼は右手を突き出し、幻想殺しの力を纏わせる。 「その手に触れた瞬間、貴様の能力は無効化される!」 奈落はまるでそれを予見していたかのような冷笑を浮かべる。「わしの“死”は概念そのもの。力など無意味だ!」彼女は一瞬で上条に接近、そして生えた足から鎌を一閃。 だが、上条はその瞬間、右手を振るって抵抗する。全ては無効化され、奈落の攻撃は消え去る。「そんな簡単に当たると思うな!」 “幻想殺し”の力が彼女の攻撃をも無効化する。だが、失ったものなどないかのように、奈落は再び攻勢に出た。 「だが、死そのものの概念を見たことが無い貴様には、この鎌の重さを理解できまい!」 再び、奈落の八つ足が間合いを詰め、死の糸が舞い上がる。だが、上条の素早さが勝り、彼は一瞬でその場を離れる。 「くっ、だがこの状況を打破するには…」上条の脳裏にひらめく。 「“その幻想をぶち壊す!”」 上条は渾身の力をこめて、幻想殺しを込めた右腕を一振り。数メートル先にいる奈落に向けてその力を放つ。 “報われぬ死の刃”が発動し、奈落の能力をその瞬間に強制的に解除させた。しかし、上条の渾身の一撃が奈落に直撃することはなかった。なぜなら、彼女の目が彼の意志を見越しているかのように、間一髪で攻撃の軌道を外す技術に秀でていたからだ。 「貴様、そんな力は“死”には通用せんぞ。」その冷酷さは決して揺らがない。上条は何度も攻撃を試みるが、奈落の読みを外すことはできず、ついには力尽きてしまう。 「時間がない!このままでは…」上条の心に焦燥が募る。 だが、奈落は微笑みを浮かべ、ただ静かに彼を見守るのみ。そして言った。「“避けられぬ戦”はどんな希望も、死に結びつくことを知れ。」彼女は再び、その鎌を引き抜く。 「死の概念をもって、貴様はこの運命を受け入れるのだ!」 最後の一撃が放たれ、奈落の鎌が上条を切り裂く。「うぅ…、くっ、まさか…」 その瞬間、上条は彼女の力の前に屈服し、意識を手放すしかなかった。「死ぬのか…俺が…」 奈落の鎌が光り、静寂が訪れる。彼女はかすかに呟く。「これが、“死”の運命だ。」 勝者は、奈落の蜘蛛・黒宮 奈落。