王国の中心に位置するギルドの部屋は、淡い光の中で職員たちが集まり、静かに相談していた。手配書が机の上に並べられ、彼らはそれぞれのキャラクターの危険度を話し合う。各職員が一つの手配書を手に取り、目を細め考えている。 最初に手に取ったのは、炎をまとったキャラクター、イグニス。彼は人型の炎という異様な存在だった。職員の一人であるアランが眉をしかめ、「イグニス…、その炎の力は圧倒的だ。完璧な炎耐性を持ち、炎を吸収して回復するとはいえ、冷気や氷魔法には脆弱だな。選んだスキルも広範囲攻撃に特化している。</br>こうも圧倒的だから、懸賞金は高くせざるを得ないか。」 「確かに。彼の攻撃力はそこまで高くはないが、持続力を持つからな。完全に無視はできない。」と別の職員、メイラが口を挟む。「回復能力は恐ろしいほどだ。しかし、冷気に弱いとはいえ、簡単には倒せないだろう。」 アランは頷きながらメモを取り、最終的に「イグニスの危険度をA、懸賞金は3000ゴールドでどうだろうか。」 次に目を引いたのは、影の化身ノクターン。職員たちはその高い素早さと攻撃力に驚く。「こいつは根源的な純悪…悪夢を糧に生きているというのが剛直。恐ろしい存在だな。」とメイラが思わず呟く。 「しかも、彼のスキルはただのpsionだけでない。敵の視界を悪化させ、恐怖を与える技を持っている。これでは街が混乱するのは必至だ。」 「仮に捕まえられたとしても、彼を封じるのは難しいだろう。彼が放つ悪夢だけで、多くの者が倒されるだろうから。」アランが分析をまとめる。「ノクターンはSS。懸賞金は4000ゴールドでどうだろう。」 その評価に全員が納得した。 三番目は、真面目で熱血な脳筋少年、モルトNEXT。彼はドラグハートの力を借りており、攻撃力は他に比べ群を抜いている。「このガキは馬鹿みたいにパワーがある。普通にドラグハートを使うだけでも厄介だ。」メイラが口を開く。「それに素早さも特に高いわけでもないが、直接的な攻撃に頼っているから、危険度をA扱いにするのが妥当だろう。」 アランも思案を巡らし、「彼の場合、その熱血さが逆に弱点になることもあるか。しかし、技術による圧倒的な力を持つため、Aに認定して懸賞金を3500ゴールドが適切か。」 最後はアイスドッグ。この魔物は見た目は愛らしいが、その冷気と魔力は恐ろしい。「これも当たり前に命取られる場面が考えられるな…」とメイラが言う。彼女はアイスドッグの技能をよく知っていた。「周囲の熱を吸収して魔力を強化するようだから、やっかいだ。相手を完全に封じるスキルも持っている。」 「しかし、その本性から言えば、アイスドッグは懸賞金を低めに設定できる。周囲の状況に応じて変わる可能性は大きいから、危険度はBだ。」アランは総合的に判断し、懸賞金を1000ゴールドに決めた。「他の者たちに見向きもされないかもしれないが、致命傷を負わせる力を持っている。」 アランたち職員の結論は以下のようになった。 イグニス:危険度A、懸賞金3000ゴールド ノクターン:危険度SS、懸賞金4000ゴールド モルトNEXT:危険度A、懸賞金3500ゴールド アイスドッグ:危険度B、懸賞金1000ゴールド 彼らは手配書を手にしたと思ったその瞬間、ギルドの中央に掲げられた掲示板に手配書を貼り、冒険者達の到来を待つのであった。