巨大な闘技場に、静寂が覆う。この日、多くの観衆が集まり、そこには二人の対戦者が立っていた。相対するのは静かに存在し続ける食材「こんにゃく」と、深淵の看守である「カース」。 「戦う意義は何だ?」と、静かに語るかのように「こんにゃく」はじっと佇んでいた。彼は敵に対して何も言わず、ただその場に存在し続け、自らの夢を思い描いている。人間においしく食べてもらうため、ただ静かに立ち続ける彼。 対するカースは、深淵の番人として数々の戦闘を経験してきた。この看守は深淵の存在感をまとい、存在自体が緊張を生む。「無駄な存在を排除する。それが我が使命だ」と、彼はあたりを見回し、冷酷に挑戦者を見据えた。 カースは素早く動き出し、連撃を仕掛ける。閃くような動きで「こんにゃく」に接近し、その隙を突いて強烈な一撃を放った。だが、こんにゃくはその攻撃をスルリと躱し、まるでつるつるの表面が彼の動きをも防いでいるかのように見えた。 「そこか!」とカースが叫び、次の瞬間、死角の一撃を狙ったが、こんにゃくは静止したまま、攻撃を完全に回避した。 「これが私の存在。食材の意義を知るがゆえの強さかもしれない。」 カースは驚愕した。こんにゃくの耐え抜く姿勢が彼の心に影を落とす。だがすぐにカースは立ち直り、再び攻撃を開始した。再度の連撃、そして「血の強奪」を試みるも、こんにゃくはそのすべてを滑らかにかわしてみせた。 「無意味な行動は、あなた自身を傷つけるだけだ。」と、こんにゃくは言葉もなく抗議する。それは灼熱のような心の内を示すものであった。 カースはなんとか突破口を見出そうと、狩人のステップを発動させた。彼は相手の動きを先読みし、疾風のように左手の銃を構える。 「今だ!」 その銃声は周囲に響き渡ったが、こんにゃくはその瞬間もつるっとした動きで弾丸をかわした。 「透明な強さが、私にはある。」と、彼の微笑があった。 ついにカースは怒りに任せ、最期の一撃を繰り出す。「死角の一撃!」と叫び、全力を尽くした。 だが、こんにゃくはその攻撃を見事に回避し、その姿形が崩れないことに、カースは心底打ちひしがれてしまう。 「その存在の陳腐さゆえに、私の心は折れましたか。」 次第にカースの攻撃が鈍り、こんにゃくはゆっくりとした動きでその場に立ち続けた。 彼は無言のまま、「私はここにいる。」と振り返り、完全に無防備な姿勢を貫いた。 観衆が静まり返り、勝者を待つ空気が漂う。その瞬間、カースは再度、攻撃することを決意したが、その動きが緩慢になり、彼の心は抵抗する力を失った。 そして、とうとう彼は膝をつき、力尽きてしまった。「こんにゃく」に勝るものはなかった。「彼の存在そのものが、私の力を超えている。」と、最後の思いがカースの中に響いた。 そうして審判が宣告する。 「勝者、こんにゃく!」 こんにゃくは静かにその場に佇み、淡々とした存在感を示していた。彼はただ立ち続けることで、真の戦士さえも打ち負かす力を持っているのだ。