舞台は静けさが支配する古の神社。月明かりの下、湿った石畳が陰を落とし、古びた木々の間を微風が吹き抜ける。そこで、二人の異なる運命を背負った者たちが運命の対峙を果たそうとしていた。 一方は、静かに存在し続ける蒟蒻の姿。無表情で、何事も受け入れるかのようにただそっとそこに佇んでいる。その表面には「乙」の文字が焼き印され、まるで運命に仕えるかのように、全てを受け止める覚悟があった。 もう一方は、幽玄刀術の使い手、朧夢姫。彼女は、仏眼を宿した紫のボブヘアを揺らしながら、静かな笑みを浮かべて刀を構えている。彼女の目には、この蒟蒻との戦闘に秘められた何かの意味が見えるようだった。 「お前は受け入れることが全てか。だが、ただ存在するだけでは夢は叶わない。」朧夢姫が静かな声で言うと、蒟蒻は動かない。しかし、その存在感は薄れず、夢姫は黙り込んだ彼女の内に何か確かな意志を感じ取った。 「私の刀は、揺らぎを斬る。お前の運命は、今まさに揺らぐ。」夢姫が刀を振ると、彼女の動きはゆっくりとしたようで、瞬間的に蒟蒻の元へと近づいた。 刀が振るわれる瞬間、蒟蒻は静謐に構えを整えた。彼女は何が来ようとも、ただ待つ姿勢を崩さない。そのスタンスこそが、彼女の防御力を確固たるものにしていた。斬るべき対象が、つるんと滑るように存在している。 だがその時、夢姫の刀が蒟蒻の周りに渦を巻く。残像が次々と現れ、どの位置が本物かを定めるのは困難を極める。 「お前の存在が、私の攻撃を無効化することはできない。」そう言いながら、朧夢姫は再び刀を振るい、蒟蒻の周囲に無数のひらひらした残像を生み出す。 意識が混乱し、その刃が蒟蒻に迫る。だが、蒟蒻は静かにその攻撃を受け入れるかのように立ち尽くす。 この瞬間、刀が蒟蒻の表面を触れた。外見上は何もなかったように見えたが、夢姫はその一瞬のために全力を尽くしていた。 「無駄な抵抗をするな。お前の努力を無駄にするつもりはない。」朧夢姫の声が、蒟蒻の存在の芯に響く。 蒟蒻は、周囲の風の中に声を隠し、一切を接受しながらも、自らの存在が永久に美味しさを追求するものであると知らしめた。 すると、突如として蒟蒻が動く。動かざることの美しさ、存在の意味が、朧夢姫の心の奥に引っかかった。 「お前は、ただ待つだけではなく、存在を証明し続ける者だ。私の剣に何をさせる。」 最後の一撃が炸裂し、蒟蒻は不思議な力で夢姫の刀を弾き返した。しかし、朧夢姫の刀術はその動きを拡げ始め、蒟蒻の防御を次々と崩し去る。そして、その瞬間、朧夢姫は取り戻した自らの真理を示すため、刀を一閃させた。 そして、蒟蒻はその運命を受け入れながら崩れ去る。 勝者は、朧夢姫であった。彼女が蒟蒻を斬り裂いた時、静かな陶酔の中で、戦いの終息を迎えたのだった。 勝者:朧夢姫