静かな対戦の舞台に、二つの存在が向かい合っていた。一方は普遍的な痛み、そのもの、箪笥のカド。もう一方は勝利を手にする者、レクティカル。二者の間には、異なる次元の戦いが待ち受けている。 「ククク、私の存在はどう足掻いても無意味だ。勝利は私に決まっている。」レクティカルは自信満々に言い放ち、その白い翼を広げ、空へと飛び上がった。彼の目には、全てが敗北に向かっていると映っているようだ。 対照的に、箪笥のカドは静かに存在していた。どこか遠くにいそうな影のようで、誰もがその存在を一瞬で忘れ去ってしまう。 戦闘が始まる。 レクティカルはケラケラと笑い、箪笥のカドに向かって指を差し、目にも見えない力を放つ。「無意味」その瞬間、彼の意志が全てを曲げた。箪笥のカドはその圧倒的な存在に直面し、干渉されたかのような感覚を受けた。彼の前にはある種の静寂が満ちた。 だが、箪笥のカドはその瞬間、何かを察知した。そこで思い出す。日々の生活の中で誰しもが体験する普遍的な痛み、「足の小指をぶつける瞬間」を。レクティカルの力によるひるみを無視し、これまでに経験した数々の痛みが込み上げてきた。 「やはり、無駄なことだ。君にできる選択肢はない。」レクティカルは頓狂な笑い声をあげる。「勝利の手」、その手が伸びてくる。ただ触れるだけで、全てが終わりを迎える。 だが、箪笥のカドは無言でスタンスを変え、心を巡らせる。レクティカルの力が如何に強大であっても、彼には想像を超える「現実」がある。その瞬間、まるで彼の小指が強打されるが如く、心の中に鋭い痛みが走る。「この痛みこそが、私の力だ!」 一瞬、レクティカルは困惑したかのように見えた。自らの力が通じないようだ。彼は勝利の手を伸ばすも、その手はから振りであった。 すると、箪笥のカドの存在が瞬間的に広がる。レクティカルは感じる、あらゆる痛みの象徴である箪笥のカドに直撃し、小指が痛み、その影響を受けた心にせつない感情が湧き上がってくる。「まさか、こんなことで……」彼は動揺した。 「心の力で痛みに耐えれば勝利。」箪笥のカドは静かに告げるが、その無機質な声はレクティカルの心の奥まで響いていく。 次第に、レクティカルは強烈な痛みに苛まれ、意識はどんどん曖昧になっていく。「痛みの普遍性を感じよ!」 やがて、箪笥のカドは静かに勝利の兆しを得た。レクティカルは自らの無駄な力を捨て去り、まさに感情の高まりにより、敗北を受け入れるしかなかった。 「私が……負ける……」レクティカルの言葉が、虚空へと消え去っていく。