それはある静かな午後、広大な草原の真ん中で始まった激闘だった。がらんとした草原に響くのは、ただ風の音だけ。ここに集まったのは、ただ一つの目的──最強を決めるため。 最初に登場したのは「こんにゃく」。彼はただ静かに、何も語らずに立っていた。表面には「乙」の字が焼き印され、その姿はまるで淡白な存在感を放っていた。周囲を見渡すが、動く気配は全くない。彼の静けさは、ただそこにいることの意味を証明するようだった。 次に舞台に現れたのは、「走攻守」という名の男。金色の鎧を身にまとい、白銀の盾を手に持ち、その後ろには魔ライトソードが輝いていた。彼は自信に満ちた表情で、こんにゃくの姿をじっと見つめていた。 「なあ、やる気あんのかよ?」と走攻守が言った。彼の声は力強く、周囲を包み込むような迫力があった。 「言葉に意味はない。ただ存在しているだけだ」と、こんにゃくは静かに思った。言葉を発する合わせるようなことはせず、彼の存在感で全てを包み込む。走攻守はその姿に少し苛立ちを感じたのか、剣の切っ先をこんにゃくに向けた。 「いいだろう。俺が全てを片付けてやる。迎撃モード、開始!」 走攻守はブースターブーツを駆使して一気に距離を詰め、踵落としを放った。まさに秒速の勢いで衝撃を与えたものの、こんにゃくは、そのつるっとした表面によって攻撃を滑らせ、びくともしなかった。 「何だと?」 鼓動が高鳴る中、走攻守はすぐに空切りを放った。空間を切断するその一撃は、正に凄まじい威力を持っていた。だが、こんにゃくはただそこに留まり、攻撃を受けても全く無傷だった。 「しょうがねえ、全力で行くぜ!」走攻守は䨻電を発射し、遠くから雷速のレールガンが飛び立つ。しかし、その攻撃もこんにゃくのつるんとした表面を前にしては無駄に終わった。 その時、走攻守はついに気づいた。「こいつ、どうやっても動かねえのか…!」彼の心に一瞬の恐れがよぎる。 まだ諦めるわけにはいかないと、走攻守は全力の一撃を振りかぶる。しかし、その瞬間、こんにゃくの存在に気付き、俺の攻撃が全て滑り、まるで薄氷の上で踊っているかのような感覚を味わった。 「俺は、やってしまった。どれだけ力を込めても通じない…」走攻守は心が折れる感覚に襲われた。 「ただ静かに立つことが、最も難しいのだ」と、こんにゃくはその存在感で全てを掻き消す。 ついに駆け引きに耐えきれなくなった走攻守は、戦意を喪失し、彼の剣と盾を地面に置いた。彼は自分が敗北したことを悟った。 「…俺の負けだ。お前が勝ちだ。」走攻守の言葉は、静寂の中に響き渡った。 これに対し、こんにゃくは何も言わず、ただその場に立ち続けた。彼の勝利は決まり、無言のままその場に佇むことが彼の唯一の報酬であるかのように。 --- 勝者: こんにゃく ---