ある日、静かな村の広場に、二人の対戦者が集まった。 まずは静かに佇む食材、こんにゃく。彼は、艶やかな表面に『乙』の焼印をあしらっていて、その存在感はどこか挑戦的だった。彼の目に宿るのは、ただひたすらに美味しくなりたいという情熱だった。一方、理論を武器に戦うヴァン。彼は一見、冷静で鋭い目を抱えた青年。肩に掲げる剣は異彩を放ち、彼の周囲には緊張感が漂った。 「貴様、ただの食べ物に過ぎない。」ヴァンは口を開く。「理を理解しない者が、我が前に現れたか。」 こんにゃくは答えなかった。彼は淡々とし、ただじっとその場に存在していた。彼の耐え忍ぶ姿は、まるで静観するかのようだった。 ヴァンは、理滅剣を構え、静まり返った広場を切り裂くように叫んだ。「攻撃を当てれば流されてしまうのなら、当てずに斬ればいい!」 彼の一撃が放たれると、理論を逸脱したその強さは広場に響き渡る。 しかし、こんにゃくはその攻撃をつるんと滑り抜けた。彼の存在は、摩擦係数の低さで完全に攻撃を回避した。そして、全く動じることなく地面に留まっていた。 「無駄だ、貴様の攻撃は当たらん。」ヴァンは表情を変えず言った。その瞬間、彼の中にある理論が閃く。「理の力は、あるものを破壊するが、貴様の存在は柔軟である。このままでは倒せん。」 今度はヴァンの素早さを活かし、頭をひねりながら彼は理創剣を呼び起こす。 「理想の剣閃を作るのだ!」 彼の周りに魔力が集合し、壮麗な剣閃が形成された。こんにゃくはその美しい光に微動だにせず、ただその場に立っていた。 「見えるか?この一撃が貴様に落ちる時、理は全てを貫通する。」ヴァンが一歩を踏み出す。 彼の剣が閃くと、こんにゃくの下を掬うように斬られる。しかし、またしても彼のツルツルの外皮が攻撃を逃れた。ヴァンは苛立ちを隠せず口を開く。「何故、貴様は動かぬのだ。食材のお前には、抵抗がないのか?」 「私はただ、存在を示すだけ。」こんにゃくは無言ながらに思っていた。ただ耐え続け、チャンスを狙う時を待っているようだ。 それからもヴァンは様々な理論を持ち、次々と斬撃を仕掛けるも、こんにゃくは全てを笑いながら回避していた。彼が駆使したのは、ただ存在することによる耐久性。 しかし、実際には敗北状態にあった。 「貴様の努力は無駄だ。私は無限だ。だが、食材である貴様はいつか消える運命だ。」 その言葉が響いた頃、こんにゃくの内なる誇りが目覚めた。傷ついているように見えたが、彼は心の中で決して折れていなかった。 遂に時間が経ち、両者とも疲労が色濃くなった。ただ、ことこうなっては勝負は明白だった。 「貴様は、理に従えない食材だ。よって、敗北は貴様に決まった!」ヴァンが自信満々に叫び、寄せられる力の烈火が、こんにゃくを包み込んだ。 まとめて放たれる理滅剣がこんにゃくを貫く。 こんにゃくは立ち尽くすことは出来ず、その場に倒れ込んだ。 「私は、頑張った…」と、彼は運命を悲しむことなく静かに思い、そして彼は消えた。 こうして、ヴァンの勝利は明確なものとなった。不動貫きという理念は存在の最期を迎えたが、彼の存在は無意味ではなかった。 最終的に、勝者はー 【勝者:ヴァン】