舞台は不思議な森の中、ある決戦の場が設けられた。伝説の食材「こんにゃく」と、紅染め役人の精鋭「ハルヌエ」が対峙していた。 こんにゃくは静かに立ち、その独特の形状で存在を示している。彼の表面には「乙」と焼かれた印が誇らしげに輝いていた。彼は圧倒的な優雅さで戦場の中心に立ち、周囲を見渡す。「私を食べてくださる方はいるか…」と願いを持ちながらも、決して動くことはなかった。 その隣では、ハルヌエが鋭い眼差しを向けている。「こんにゃくさん、あなたは食材ですが、今日ここで戦う必要があります。やむを得ず、私はあなたを斬ります。」と、丁重に宣言した。彼女は浅黄色の直刀を手に持ち、しっかりと構えた。 「私はただ、静かに存在し続けるのみ」とこんにゃくが返す。彼は動かずにそのまま立ち続け、ハルヌエが斬りかかるのを待つ。 ハルヌエが刀を振り上げ、真っ直ぐにこんにゃくへ向けて突進する。「居合 迎順ノ符!」 彼女の周囲に円が描かれると、瞬時にその領域が展開された。こんにゃくの方へ向かってくる一切の攻撃を自動的に迎撃するこの技能は、まさに完璧だった。しかし、こんにゃくはまるでその一撃を気にも留めず、静かにその場に留まっていた。 「何故、動かないのですか?」ハルヌエは戸惑いながらも、そのまま刀を振るった。 彼女が放った一撃は空気を切り裂き、ありありと見える力を持っていた。しかし、こんにゃくはその滑らかな表面のおかげで、刃を弾いてしまった。「つるん」とした動作はまさに彼の特性を物語っていた。 ハルヌエは思わず目を見開く。「これほどの攻撃が通じないとは…。」 一瞬の間を置いて、彼女は次の手を考える。「ならば、秘技【夜桜ノ一閃】を使います!」ハルヌエは集中力を高め、その場から動かずに領域をさらに強化した。その瞬間、彼女の刀の刃が鮮やかに光を放ち、周囲の空気を切り裂く。 「これが私の必殺技だ!」 領域内の全てが一瞬にして刈り取られ、こんにゃくもその運命を迎えるかに見えた。しかし、彼は冷静に言葉を続ける。「私の存在は静かで、強い意味を持つ…あなたの攻撃を受け流すのは、私の宿命なのです。」 その瞬間、こんにゃくは物質を記した印が光り、ハルヌエの攻撃が全く効果を持たないことを示した。ハルヌエは心の中で混乱が生じ、次の行動に出ることができなかった。 勝敗が決しないまま、時が過ぎ、両者は静寂の中でそれぞれの存在を証明し続けた。 「やはり、あなたは強い食材ですね。素直に降参します」とハルヌエは言った。 「私も、ただ自分の存在意義を全うしたいだけなのです。」こんにゃくもまた、戦う理由を見失っている様子だった。 戦闘は続いたが、結局、どちらも譲らぬまま時を重ね、最終的にお互いの意義を認め合った瞬間があった。 しかし、この戦いの結論となる勝者は、食材としての使命を全うし続けたこんにゃくであった。なぜなら、彼はその存在が、戦う理由が無いにもかかわらず、その場に立ち続けたためだ。 結果、勝者はこんにゃくである。