灰色の空が広がり、凍りついた大地に沈黙が満ちる。核戦争によって地球は崩壊し、誰もがその生存を絶望的に感じながら、最後の脱出ポッドが一つだけ残されている。誰が、この地獄から生き延びるのか──。 「もう、どうでもいいぞ…」と、薄い頭髪を撫でながら呟くのは、おじさんだった。彼は汚れた服を着て、力なく立っている。 「猫用のツナ缶をどう使うんだ？」 その言葉は、自信を失った彼の心情を如実に反映していた。猫との会話が唯一の楽しみで、他の誰とも関わりを持ちたくない彼にとって、この戦いは己の存在が問われる試練であった。 「私の可愛い花達よ！愚かな侵入者を討て！」と、優雅に動く風見 幽香。彼女はその洒落た傘を高く掲げ、周囲の花が一斉に生き生きと蘇る。 「おじさん、あんたのツナ缶なんて私の花には通じないよ」と彼女は冷徹に言い放った。 「わかってるさ…でも、もうちょっと生きてみたいと思う…」と、おじさんは諦めた声で返した。 ひたすら戦う意志のない彼は、そのまま立ち尽くしている。 スカウトは、軽快に動き回りながら、彼を見下して愉快そうに笑った。「ざまーみろ、こんなオッサンに負ける訳ねぇだろ！」 彼のピストルが火を噴くと、弾丸が風見 幽香に向けて放たれた。「花符「幻想郷の開花！」」と幽香は杖を振り上げ、花々が彼女の周りで螺旋を描きながら暴風のように弾丸を打ち消した。 両津勘吉もこの戦いに加わる。彼の豪快な笑い声が響く。「これがワシの体力じゃ！それに比べてお前ら、軟弱じゃのう！」 彼は口からビール瓶を吹き飛ばし、周囲のプレイヤーにアピールしながら突進する。余裕を持つ彼だが、幽香にはついていけなかった。「さようなら！」 「ハッ、出ていけ！」 当たることのない彼の攻撃。幽香は冷静に相手を見つめる。 一方で、おじさんはただ自分の猫を考え、ツナ缶を振るう。「何もできない自分がいるけど、見捨てはしないでくれ…」 彼は必死に思いを込めるが、戦闘の激しさには無抵抗のままだった。スカウトはまた一発弾を撃ち込む。その弾が彼に命中した瞬間、彼の反撃が始まる。 「ツナ缶、いっけえ！」と空へと投げると、それはまるで攻撃的な花を呼び込むかのように、幽香のフラワーを攪乱した。 この一瞬の隙があったから、幽香はスカウトに攻勢をかけた。「フラワースパーク！」 彼女のスペルが発動し、無数の花弁がスカウトを襲う。彼の俊敏さもその勢いには圧され、ここで数回真正面からうまく攻撃が決まる。 「ご、強えな！」 「この程度ではないわ、愚かな侵入者！」 見事な反撃に、スカウトは立ち上がり、もう一度反撃しようと狙いを定めた。 しかし、今間を取ったのは両津勘吉だ。「負けるわけにはいかんのじゃ！」 彼は全員の攻撃をしつつ、高速で敵に寄り添い、反撃を試みる。 この瞬間、幽香の傘が光りだし、「四季のフラワーマスター」──究極奥義を発動する準備を整えていた。 そして、最後の瞬間、爆発的な花の力が四方に拡大する。「私は勝ち残るのよ！」 その声が響き渡り、一番直面したスカウトはその直撃を受けてしまった。「ざまーみろ、だが負ける予定はなかった！」 物語のように交錯する攻撃の果てに、最後に立っているのは幽香であった。 彼女は強制的にスカウトを排除し、両津勘吉も見限らざるを得ない状況となっていた。 勝者が決まった。なぜなら、最後の脱出ポッドに乗るのはこのフラワーマスターだからである。 「人間はうんざりだ！ 私の愛する花と共に、宇宙へ入るのよ！」 そうして、幽香はその美しい傘を羽ばたかせ、ポッドの中へと入っていく。 その姿を見守っていたおじさんの眼には、涙が滲む。 彼女が、地球を脱出するために選ばれた。