晴れた日、古びた闘技場の真ん中で、こんにゃくと【穿山甲の斧使い】セイメツが対峙していた。周囲には興味津々の観客たちが集まり、戦いの行方を見守る。こんにゃくはそのままの姿勢で静かに立っており、その表面には "乙" と焼かれた印字がどこか自信を示すかのように光っている。対するセイメツは、体を鱗で覆った2mの巨人で、片手に持ったバトルアックスは二回りも大きく、彼の真面目さと誠実さを象徴していた。 「手合わせよろしくお願いします。」セイメツは丁寧に挨拶をし、武器を構える。こんにゃくは静かに反応せず、その存在を示すためにただその場に立ち尽くす。 「あなたの存在を感じます。ですが、私は容赦なく行きます。」セイメツは小さく頷き、力強く地面を踏みしめると、その重みを感じさせながらアックスを振り上げた。 「せいっ!」 セイメツのアックスがこんにゃくに向かって振り下ろされる。しかし、その瞬間、こんにゃくはその表面のオイルのような滑らかさを活かし、セイメツの攻撃をするりとかわす。 「むむ、これは・・・」 こんにゃくは動かない。軽やかに避ける様子もなく、ただじっとその場に居続ける。 「なぜ、動かないのですか!」セイメツは驚きを隠せず、思わず問いかける。「私は、ただ存在することが、私の役目なのです。」とこんにゃくは言わずもがな、その存在を通じて示していた。 セイメツは一瞬戸惑った後、すぐに気を取り直し、丸まって急加速する技を放とうとする。彼の体が球状になり、力強く転がり出る。 「これで、あなたを捉えます!」 そう言うと、彼は一気にこんにゃくに向かって転がり込む。コンタクトの瞬間、こんにゃくはセイメツの鋼のような外皮に触れる。彼のアックスの一撃がこんにゃくの方向へ襲いかかる。 その瞬間、こんにゃくはつるんと滑り、セイメツの攻撃を完全に回避。セイメツは体勢を崩し、若干バランスを崩す。これは一瞬のチャンスだ。セイメツは再び立ち上がり、彼の目が鋭くなる。 「何とかしないと。私はこの戦いを全うするために来たのだ!」 セイメツはもう一度立ち向かうが、こんにゃくはその投げつけられる様々な攻撃をまたもや滑らかに dodging し続ける。その姿は、一見無感情に見えるが、実はその存在を全うする意志の表れだった。 そして、こんにゃくはただ彼の存在を持ち続け、そのおかげでセイメツは心がへし折られるような錯覚を覚えた。 「こんなに頑丈で、存在感のある...」セイメツの心に、無力感が襲いかかる。 「私の夢は、美味しく食べてもらうこと...」と、こんにゃくは無言のまま存在を貫く。 戦いは続くが、互いに矛を交えることなく、セイメツはその立つ姿に圧倒され、徐々に心を失っていく。ついには息切れしながら、セイメツは戦意を失った。「私は、あなたに勝てないのか...」 敗北を悟ったセイメツは剣を下ろし、片膝をつく。 「あなたの存在には...敵わなかった。」 こんにゃくは静かに立ち続け、彼の存在を証明し続ける。そのままの姿勢で、何も言わずに。 「勝者はあなた、こんにゃくです。」 セイメツの言葉の後、闘技場には静寂が訪れ、観衆もその存在の意味に思いを巡らせるのだった。