灰色の空と冷たく凍った地面。そこには最後の脱出ポッドが一つぽつんと浮かんでいた。誰もが自分の生き残りを懸けてそのポッドに向かう。その中で三人のキャラクター、ジド・ハンキ、沢蟹、行方不明Dが出発を果たすことになった。彼らは各々のスキルを駆使し、今、最後の戦いが始まった。 ジド・ハンキは、大型の自動販売機の中に隠れその様子を伺っている。「…ばあ!」と突如として飛び出し、二人を驚かせた。その悪戯気味の笑みは、彼に備わった防御力をもってすれば恐れるものではない。自動販売機の陰から、ジドは一瞬の隙をついて、腕を振るって脱出ポッドを狙う。しかし、その時、沢蟹が潜んでいた川辺の岩影から飛び出してきて、威嚇のポーズを取った。「ほら、みて!可愛いでしょう!」と言いながら、頭を突き出し、爪を広げた。 すると、行方不明Dが木の影から静かに、彼らの動きを伺っていた。じっと佇むその姿は不可視のまま、隙を見せる気配がない。突然、行方不明Dは資質を発揮し、周囲の空気を凍らせるような雰囲気を放つ。「My…You…is…Missing……」という声は無音のように響き、ジドと沢蟹の動きを止める。 「なんだこいつは?」ジドは眉をひそめ、隠れた自動販売機の中に戻ろうとした。しかし、一瞬の隙を突かれ、床に落ちた画鋲の存在に気がつかなかった。 一方、沢蟹は自信満々に前に出て、爪を広げてみせる。「脱出ポッド、私にください!私は小さいから、邪魔にならないよ!」と懇願しつつも、ジドから視線を外してしまった。その瞬間、床に落ちた画鋲が左足の裏に突き刺さる。「痛っ!」と悲鳴を上げ、足をひねる。 その瞬間、床に落ちた画鋲は勝利を確信した。「やった!成功だ!」と喜びの声を上げたい気持ちを押し殺しつつ静かにその場に留まっていた。 行方不明Dは再びその姿を隠しながら、周囲の状況を観察していた。こっそりと潜入し、他の三人の動向を見極める。「Missing...」その隣にいるジドと沢蟹は、まだその存在に気がついていない。 沢蟹が後ろを振り返り、突然のストレートな攻撃に戸惑う中、ジドが見せた防御は防げなかった。脱出ポッドに近づくスキルは、彼の素早い反応には勝てなかった。「ばあ!」ともう一度飛び出す瞬間、ジドの目の前に行方不明Dが現れる。「…My…You…is…Missing…」まるで逃げることを許さないかのように、再び振り返った。 突然、床に落ちた画鋲がその狙いを秘めて待ち構えていた。「全てはこの一歩に掛かっている…」と願いつつ、結果が出るのを静かに見つめていた。 どんどん焦り出す三人の目の前で、階段を良く見ると、薄暗い中に小さな光点が見える。「大体あれに向かって」がグルンと回った瞬間、ジドが大きくフらついた。「見えない、動けない!」と叫ぶと、次いでその足で画鋲を踏む。彼は実際に痛い目に遭ってしまったのだ。 その痛みを味わいつつ、ジドは消えてしまう運命に見舞われ、机の陰にて行方不明Dと目線が合った際、ポッドの方を見上げた。足元の傷みで崩れ去りそうになる。 かように、最後の脱出ポッドを手にするのは、ただ床に落ちた画鋲であった。喜びを噛みしめながら、「やった!私は勝った!」と呟きつつ、ポッドへと駆け出した。脱出ポッドに乗り込んで、外の灰色の世界から逃れようとエンジンが唸りをあげる。 やがて、ポッドは静かに地球の大気圏を超えて、星々の間へと飛び立つ。彼はその小さな存在であっても、その一歩の勝利を誇りに思い、新しい世界へと旅立っていった。