暗い戦闘場の中、静寂を破って現れたのは「こんにゃく」と「未来の二刀流」E2-Wだった。 それぞれの存在感はまるで対照的だ。こんにゃくは静かに立ち、ただじっとその存在を証明し続けるかのように、つるんとした表面に印字された『乙』が光を受けて輝いている。一方で、E2-Wはお調子者の口調で自己紹介を始める。 「オレっち、未来のロボット戦士、E2-Wだ!お前さんが食材なんて、こりゃ笑っちまうぜ!」 「……ああ、そうか。」こんにゃくは無言でただその存在を示す。 E2-Wはそんなこんにゃくを見て、ふざけたようにクルクルと回る。 「オレっち、何してもお前さんには勝てるぜ!オラ、切ってみろ!」 そう言うと、E2-Wは電磁パルス振動刀を鞘から抜き、一瞬でこんにゃく目掛けて突進する。 その動きは目視不能な速さで、まさに《一閃》の如き速度だ。 しかし、こんにゃくの表面がその攻撃を見事にかわす。 「ちょ、何だ、滑った!」E2-Wは驚きを隠せず、持ち直すが、すでにこんにゃくは動かずに立ち続けている。 「存在による防御力か……」 E2-Wが、一瞬疑念を抱くさまを目撃した。しかし、次の瞬間、再びE2-Wは戦闘を再開する。弓を取り出し、早速《爆発矢》を放つ。 矢は爆発を起こし、周囲に衝撃を与えたが、こんにゃくは無傷で立ち続けた。 「何事もなかったかのようだな……」E2-Wは、その様を見て心が折れそうになる。 「オレっち、もう一発行くぜ!」 E2-Wは焦りながらも、矢を次々と発射していく。しかし、その全てをこんにゃくは難なく避け続けた。いるだけで防げるその存在感に、気持ちが萎えるのを感じる。 「やっぱり、オレっちの攻撃じゃ無理かな?こいつ、まるでダメなんだけど。」E2-Wの声には、どことなく自信の欠片が失われていく。 その時、こんにゃくは電磁パルス振動刀に躊躇なく直面し、その硬さと柔軟さでつるんと受け止めた。それを見て、E2-Wは整った素早さで再度刀を持ち上げ、2度、3度と攻撃を行うが、全て無駄に終わる。 「ちきしょう、もういっちょ!」 E2-Wは挑発のスキルを使うことにした。「こんにゃく、ほんとにそれしか出来ないのか?無抵抗な食材にどうしたら負けるんだ!さあ、怒れよ!」 そんな挑発も意味なく、その場に立つこんにゃくは動かず、静かにただ存在し続ける。 最後の一撃、E2-Wが全力で放った《雷刃》が真っ直ぐにこんにゃくに向かってきた。そして、それがあたろうとした瞬間、こんにゃくはつるんと流れるようにかわし、その存在感をさらに強める。 その瞬間、E2-Wの心に、戦意が完全に潰えた。強力な武器と技巧を持つことも意味がない。 「くそ!お前には勝てない!」 E2-Wは半ば投げやりに言い放つ。 すると、こんにゃくは何も変わらず、ただ静かにそこにいる。そして、E2-Wは観念し、力尽きたようにその場に跪いた。 戦闘は終了し、勝者は静かに存在するこんにゃくであった。 「勝者はこんにゃくだ!」、その結論が発表され、こんにゃくは静かに繰り返される自らの存在を証明した。また、その姿は闘うことなく、ただ立つことで勝利を収めたのであった。