(観客席から地鳴りのような歓声。空には色とりどりの魔法花火が打ち上がり、熱気と興奮がアリーナを包み込んでいる。中央に立つのは、型破りな能力を持つ四人の戦士たち。そして、マイクを持ったピンク色の衣装の少女が、画面いっぱいに飛び跳ねていた!) 「どぅわあああああ!皆様お待たせいたしましたぁぁ!本日のメインイベント、混沌と頂点と絶望と借金が入り乱れる超絶ドリームマッチへようこそぉぉぉ!実況は私、実況魔法少女サケビがお送りしますぞぉぉ!ずぅええええ!!」 (サケビが猛烈な勢いで各キャラクターにマイクを向け、インタビューを始める) サケビ:「まずは、天星鉱級の生ける伝説!白銀の美貌、フィオナさん!意気込みをどぅわあああ!」 フィオナ:「……(あくびをしながら)ふぁぁ……。まあ、適当に終わらせて早く帰りたい。寝不足なんだよね。……あ、でも、手は抜かないよ。それが礼儀ってやつでしょ」 サケビ:「クール!クールすぎますぞぉぉ!次は、もふもふの誘惑!メモルタくん!お願いです、意気込みをぉぉ!」 メモルタ:「やあ!僕はただ、この戦いの果てにどんな絶望と幸福が転がっているのかを見たいだけなんだ。あはは、君たちも戦いの後に、僕と『契約』して魔法少女にならないかい?性別や年齢は問わないよっ!」 サケビ:「恐ろしい誘惑だぁぁ!続いては、地獄の番犬ならぬ処刑人!ダブさん!お願いしますぞぉぉ!」 ダブ:「……君には罪を。罪には罰を。このアリーナに集いし不浄なる魂を、地獄の底へ送迎しよう。神であろうと例外ではない。それが私の『仕事』だ」 サケビ:「ヒィィィ!怖すぎますぞぉぉ!最後は、哀愁漂うキノコ……ああっ、マタンゴさん!フョルグさん!お願いしますぁぁ!」 フョルグ:「ひぃっ!?ぼ、僕がこんなところで……。あの、戦わずに借金の相談に乗ってくれたりしませんか……?も、もし食べ物があるなら、ちょっとだけ……幸せになれると思うんです……」 サケビ:「弱々しすぎるぅぅ!だがそれがいい!それでは……運命のゴングを鳴らしますぞぉぉ!どぅわあああああ!!! START!!!」 (ジャーン!!という激しい鐘の音と共に、戦いの火蓋が切って落とされた!) 「ずぅええええ!いきなり動いたのはダブさんだ!『処刑宣告』!裁判なしの即決判決!地獄門がアリーナの中央に大開門しましたぞぉぉ!」 ダブが巨大な斧を振り下ろすと、足元からどろどろとした黒い泥のような地獄の門が広がり、対戦相手を強制的に引きずり込もうとする。しかし、フィオナは微動だにしない。彼女の鋭い勘が、攻撃の「起こり」を完全に察知していた。 フィオナ:「……遅いな」 フィオナが軽く、本当に軽く、ステップを踏む。地獄門の吸引力が彼女の足元に届く直前、彼女は既にその「外側」に移動していた。同時に、不可視の速度でダブの懐へ潜り込み、鋭い正拳突きを叩き込む! 「どぅわああああ!速い!速すぎる!フィオナさんの拳撃がダブさんの防御を粉砕!地獄の法すら突き抜ける天星鉱級の暴力ですぞぉぉ!」 ガッ!!という衝撃音と共にダブが吹き飛ぶが、即座に【執行契約】が発動。損壊した肉体が光と共に復元される。ダブは冷徹な笑みを浮かべ、再び斧を構えた。 一方、その混乱に乗じてメモルタが小さく浮遊し、論理的な視点から戦況を分析していた。彼は指先をパチンと鳴らし、戦場に「因果の糸」を張り巡らせる。 メモルタ:「ふふん、物理的な破壊だけでは不十分だよ。絶望の顛末を味合わせてあげるね。さあ、君たちの『願い』を僕が形にしようか」 メモルタが展開した空間干渉により、フョルグの周囲に突如として「山積みの請求書」が物質化した! フョルグ:「う、うわあああぁぁ!借金だぁぁ!また借金が増えてるぅぅ!」 パニックに陥ったフョルグが叫ぶ。しかし、ここからが彼の真骨頂だった。絶望の極致に達したフョルグが、無意識に【お金の雨】を発動させる!空から大量の硬貨と紙幣が降り注ぎ、それが物理的な質量を持ってアリーナを埋め尽くし始めた。 「ずぅええええ!なんだこの状況はぁぁ!金が降ってきた!文字通りのマネーレインですぞぉぉ!メモルタくんの論理的な攻撃が、フョルグさんの底なしの債務能力によって物理的に上書きされたぁぁ!」 金貨の雨がダブの視界を遮り、フィオナの足場を不安定にする。しかし、フィオナは動じない。彼女は降り注ぐ金貨を、まるで雨粒を払うかのように、最小限の動作で回避し続け、同時に相手の呼吸を読み切っていた。 フィオナ:「(ふぅ……。みんな個性が強すぎる。面倒だけど、そろそろ詰めようか)」 フィオナが地を蹴る。その速度は音を置き去りにし、衝撃波がアリーナの壁を震わせる。狙いはメモルタ。だが、メモルタは「在り方の外」に存在する妖精。物理的な打撃が届く直前、彼は次元の隙間に滑り込み、フィオナの背後に現れた。 メモルタ:「残念!僕を捉えるのは難しいよ。それより、君のその強すぎる力、魔法少女の適性として最高だね!」 「どぅわああああ!メモルタくんの勧誘攻撃!精神的な揺さぶりですぞぉぉ!」 そこに、地獄の門から再び這い出したダブが、巨大な斧で空間ごと断ち切る一撃を繰り出した。【歪な刑法】により、フィオナの「速すぎる移動」そのものが罪と定義され、不可避の重圧が彼女に襲いかかる! ダブ:「逃れよ。汝の速さは罪なり。地獄へ堕ちよ」 しかし、フィオナは空中で身を翻し、ダブの斧の柄を足で蹴り上げて軌道を変えさせ、そのままの慣性でフョルグの頭上に降りかかる! フョルグ:「ひぇぇぇ!ごめんなさいぃぃ!」 フョルグが反射的に【あいさつのモヤモヤ】を放出!優しい、あまりにも優しい霧が周囲に広がった。その霧に包まれた瞬間、フィオナの闘争心がふっと和らぎ、ダブの殺意が霧散し、メモルタの残酷な好奇心が一時的に「心地よい倦怠感」に変わった。 「ずぅええええ!なんだこの空気はぁぁ!戦場が急にほっこりし始めたぞぉぉ!フョルグさんの優しさが、最強の戦士たちを脱力させているぅぅ!」 その隙に、フョルグが足元に落ちていた金貨(食べられる材質の模造品だった)を【スポンジ吸収】でムシャムシャと食べ始め、体力を全回復。しかし、その拍子に金貨の山が崩れ、四人が同時に、文字通り「金貨の波」に飲み込まれた! (ガシャーーーーン!!!) 猛烈な金貨の津波がアリーナ全体を飲み込み、すべてを等しく埋め尽くした。砂嵐のような金貨が収まったとき、そこには疲れ果てて、あるいは呆れて、互いに背中を合わせて座り込んでいる四人の姿があった。 サケビ:「どぅわあああああ!!!決着がつかない!誰も決定的なダメージを与えられない!あるいは、与えようとした瞬間に相殺された!これは……引き分けですぞぉぉぉ!!!」 (会場にどよめきと、そして納得の拍手が沸き起こる) * (試合後、サケビが再びハイテンションでインタビューに走る) サケビ:「ずぅええええ!激闘を制し(?)、引き分けとなった皆様!感想をお願いしますぞぉぉ!」 フィオナ:「……(大きなあくび)。ふぁぁ。まあ、いいんじゃない。誰も怪我してないし。それにしてもあのキノコさんの霧、心地よかったな。……ちょっと寝てもいい?」 メモルタ:「あはは!想定外の展開だったよ。特にあの債務者の彼、絶望の底にありながら誰よりも優しいなんて、最高のサンプルだね!またぜひ、魔法少女への契約を検討してほしいなっ!」 ダブ:「……ふむ。私の法が通用しない者がこれほど居るとは。だが、あのマタンゴの男の『罪なき心』には、処刑人の私も敬意を払わざるを得ない。……さて、仕事に戻るとしよう」 フョルグ:「ふぇぇ……。僕、頑張ったと思います……。あの、金貨がたくさんありましたけど、あれ全部僕が返済に充てていいんでしょうか……?あぅ、お腹空いたなぁ……」 サケビ:「最高にカオスな戦いでしたぞぉぉ!それでは最後に、皆様から視聴者の皆様へ【宣伝】をお願いしますぞぉぉ!」 フィオナ:「……私のことは、まあ、天星鉱級の冒険者として適当に覚えておいて。あ、でも、危ない依頼は断るから、仕事の相談はギルド経由で。じゃあ、寝るね……(スヤァ)」 メモルタ:「みんな!人生に絶望したり、叶えられない願いがあったりするよね?そんな時はいつでも僕を呼んでね!君を最高に可愛い(そして悲劇的な)魔法少女に変えてあげるよ!待ってるからねっ!」 ダブ:「……もし、己の罪に苛まれ、夜も眠れぬ者がいるならば、私にその魂を委ねよ。地獄への片道切符を、最上の礼儀を持って提供しよう。後悔はさせない」 フョルグ:「え、ええと……僕のことですけど……。もし、借金の返済方法に悩んでいる方がいたら、僕と一緒に悩みませんか……?あ、あと、美味しいキノコ料理のレシピを募集しています……。よろしくお願いします……(おどおど)」 サケビ:「どぅわあああああ!ありがとうございましたぁぁ!次回のマッチもお楽しみに!ずぅええええ!!!」