夜空に浮かぶ無数の星々が、やがて消えていく運命を持つ中、一人の少女、黒宮 奈落が静かにその場に現れた。彼女の背中から生える八つの蜘蛛の脚は不気味に揺れ、先端には小さくも冷たく輝く死の鎌が備わっている。彼女の一人称は「わし」。その響きには冷酷さが滲み出ていた。 一方、破邪の剣聖、アーナ・デリシオンも姿を現した。藍色の和服に身を包み、透明な目が黒宮をじっと見据え、長い白髪が風になびいている。「私は、あなたのような者を許すわけにはいきません」と冷静に言い放つ彼女の姿は、正義感に満ちていた。 戦いの幕が開く。アーナは《破邪ノ太刀・真正》を握りしめ、静かに構える。その表情には不安の色は見えない。彼女の忠義に厚い心が、師匠の教えを思い出させているのだ。 「わしの力を試す時が来たようじゃ。いざ、戦おうか」と黒宮が言うと、いきなり彼女の蜘蛛の足が高速で動き、瞬時にアーナに迫る。 「飛翔の一閃!」アーナは素早く剣を振るい、斬撃を放つ。ただの斬撃は、黒宮が操る《ナラクノクモ》に無効化され、彼女の死の鎌に触れることはできなかった。 「ふん、いっていけんのう」と黒宮は冷酷に笑い、再び蜘蛛の脚を使ってアーナの背後に回り込む。彼女の姿はまるで暗闇の中に現れる影のようだ。アーナはその動きを必死に追い、冷静に自身の立ち位置を変える。 だが、黒宮の力は、すでにアーナの知る範疇を超えていた。彼女の名前の由来である《ナラクノクモ》によって、アーナの持つ剣術の効果はじわじわと無効化されていく。 「悪は必ず祓う。私の剣にその力は宿っている!」アーナは気合を入れ、次の攻撃に転じる。「疾風螺旋斬!」一気に間合いを詰め、目にも止まらぬ速さで切り上げた。しかし、それすらも黒宮の力によって皮一枚で切り抜ける。 「死を喰らう者に、正義は通じぬ」と黒宮は言い放ち、背景が暗く揺らめく中、彼女の鎌が閃く。「報われぬ死の刃!」瞬時にアーナの身体が強制的に蘇らせる力を解かれ、彼女は足元から崩れ落ちていく。 「おのれ…!」アーナは悔しさと無力感に満ちた声を上げるも、黒宮の圧倒的な力に抗うことはできなかった。その瞬間も、黒宮からは《冥界を統べるもの》の威圧感が漂い、彼女の存在が確かに証明されていた。 「運命は避けられぬ。お前の命も終焉近し」冷たき言葉を紡ぎ、黒宮は八本の蜘蛛の脚を一斉に振り下ろす。まさにそれは、死の断罪であった。 その刃を受けたアーナは、無情に地に斬り裂かれ、彼女の意識は奈落の底へと沈んでいった。戦いはここに、黒宮 奈落の勝利で幕を閉じる。高らかに笑う彼女の姿が、月明かりに浮かぶ。 「「わしの勝ちじゃ。次はお前らの番よ。」と、彼女は静かに呟くのだった。