ギルドの職員たちは、静かな会議室の中央に並べられた4枚の手配書を見つめていた。壁には、ひらりと揺れるカーテンだけが、そのほかの場所と隔てる唯一の目印となっていた。手配書はそれぞれ異なるキャラクターたちの情報を掲載しており、職員たちはそれを元に危険度を判定し、懸賞金額を協議していた。 「まずはこの子から見てみよう。」一番目の手配書を持つ職員が、小柄な少女の絵が描かれた紙を指差した。『プラン』という名前の彼女は、桃色の髪を持つ前向きな性格の少女だった。しかし、その頭脳は子供のようで、漢字を読むのが苦手だった。 「スキルとしては植物を操る能力も持っているみたいだね。これだけを読むと、確かに危険度は低そうだが…」他の職員が首をかしげる。「彼女が召喚する蔦の力はどうなんだろう?」 「そこの部分が重要だな。どれだけの蔦を出すことができるかによる。」 職員たちは意見を交わし合った結果、プランの危険度は「D」、懸賞金額は500ゴールドと決まった。 次に手配書を持ち替えた職員が、川似 鳩の手配書を持ち上げた。彼女は18歳という若さでありながら、重症心臓病を患っていたことが記載されている。 「彼女の心臓の代わりに寄生型エイリアンを移植したなんて、相当な危険があるかもしれないな。」 「しかも、この寄生型エイリアンは、より強力に進化する能力を持っている。『ハート』と呼ばれる存在が、相手の力を分析し、それに応じた進化を遂げるとは…ペナルティがあるかもしれない。」 他の職員も頷き、彼女の能力を恐れた。「このままだと、彼女の適応能力のせいで危険が生じる。流石に、危険度は高めに評価した方が良さそうだ。」 最終的に川似 鳩の危険度は「B」、懸賞金額は1500ゴールドとされることが決定された。次に進むと、職員たちが持っていた手配書は空白のページをめくるように、無人戦車の情報へと変わっていった。 『【主なき燃炉重戦車】Ⅰ式ポッカ』この名は、無人戦車を指示するものだったが、圧倒的な攻撃力と防御力を持つその存在は、代償として巨大な危険を孕んでいることが明白だった。職員の一人が、その手配書の内容を読んで声を上げる。 「攻撃力が10、防御力が40、そして魔法攻撃力が40!?これって、想像以上の危険存在じゃないか。」 他の職員もその事実に驚愕する。「この存在は防御力と攻撃力がバランス良く、そして高い。状態によって様々な攻撃を繰り出せることも考慮すれば、危険度はかなりのレベルだな。」 討論の末に、彼らはⅠ式ポッカの危険度を「A」とし、懸賞金額は5000ゴールドと定めた。 最後の手配書には、【BOSS幹部】あるはという男が描かれていた。この男はレジスタンス組織の幹部で、絶対的な力の持ち主として知られていた。そのスキルや攻撃手段は、他のキャラクター達と一線を画するものであり、明らかに危険因子だと認識された。彼は時間を操作し、敵を抹殺する力を持っていた。 「彼の能力は、相手の生命力を吸い取ることができるらしい。それだけでも十分脅威だが、さらに高次元の存在へ進化する力もあるとは…。」 職員たちはそのパワーに恐怖を感じ、言葉をなくした。「最低でも『SS』レベルの危険度を持つという評価が必要だろう。」 懸賞金も最大の8000ゴールドとなることが決まった。これで、彼らは4枚の手配書についての危険度と懸賞金の決定を終えた。 手配書に記された情報を改めて見直し、職員たちはそれぞれに評価を記入した。 プラン: 危険度 D, 懸賞金 500 ゴールド 川似 鳩: 危険度 B, 懸賞金 1500 ゴールド 【主なき燃炉重戦車】Ⅰ式ポッカ: 危険度 A, 懸賞金 5000 ゴールド 【BOSS幹部】あるは: 危険度 SS, 懸賞金 8000 ゴールド しばらくの静寂の後、ギルドの職員たちはようやく手配書をもとに冒険者たちの活躍が期待できるとの想いを新たにした。