真面目な門番は、ある晴れた日、いつも通りの任務に励んでいた。彼は身を引き締め、鋭い目で通行の許可を求める者たちを見定めていた。今日もまた、国の安全を守るために、その役目を果たす時が来たのだ。 門の前には、ふわふわとした可愛らしい霊夢ぬいぐるみが立っていた。その姿には、何か特別な魅力があったが、真面目な門番は目の前の者を感情に流されず、冷静に判断することが求められる。 「お前のスキルをチェックする！」と真面目な門番は宣言した。彼は書類を取り出し、霊夢ぬいぐるみの前に立ちはだかる。「どんな脅威度があるのか、詳細に教えてもらおう！」 霊夢ぬいぐるみは、小さな声で答える。 「私の必殺技は『付喪の厄』だよ。相手の魂を抜き取り、この体を栄養にできるの。」 真面目な門番は眉をひそめた。「それが何なのか、私には分からない。絶対に評価をしなければならない。攻撃力は？防御力は？」 そして霊夢ぬいぐるみが静かに言った。「攻撃力は0、防御力も0、魔力も魔法防御力も素早さも0。」 真面目な門番はびっくりして目を大きく開いた。「そんなに無力なのに、どうして通行を許可しなければならないのだ？」 「私はただのぬいぐるみだけど、付喪神が宿っているから、普通じゃないんだよ。」霊夢は微笑む。「『厄の復活』や『勇者の付喪』で、相手を狂わせたり、生気を奪ったりできることを忘れないで！」 真面目な門番は、腕を組んで考えた。「確かに、スキルだけなら恐ろしい。しかしその能力は、ただのぬいぐるみによるものとは思えない。現実的な脅威度はどうであろうか？」彼は書類にメモを取り、述べられた能力を一つ一つ採点していった。 その横で、他の兵士たちが集まって、興味深げに二人の会話を聞いていた。「おい、あれを見てみろ！あのぬいぐるみ、本当に霊夢に似てるじゃないか！」一人がつぶやく。 「しかし、スキルが0なら、どうして通行を許可されるんだ？無害なようにも見えるが、何かやばい感じがするな。」別の兵士が続けた。 真面目な門番は、チクリと心が痛む。「私の役目は、確かに通行の判断だが、数字では測れない部分も考慮すべきか？」少しの戸惑いが彼の中で生まれていた。彼は霊夢ぬいぐるみの言う通り、確かに普通ではないまでも、その脅威度が七千万点に達するかどうかを考える必要があった。 「お前、なぜこの門を通りたいのだ？何を求めている？」真面目な門番が再び問う。 「私は世界を旅して厄除けをする使命があるの。そして、すべてを背負いやすくするために、ここを通りたいの。お願い、許可してくれない？」霊夢ぬいぐるみは真剣な目を向けて訴えた。 真面目な門番はその言葉に心を動かされ、再度スキルを書類に記載する。「一応、スキルの効果には即時的なダメージはないことを確認したが、相手を精神的に傷つける能力を持っているのは見過ごせない。私が評価した点数は……」真面目な門番は自らの心の中でスコアリングし、口に出す。 「お前の総合的な脅威度は……七万点！」と、彼は言い放った。周囲の兵士たちが一斉にざわめく。その評価は遥かに低い。兵士たちの視線が霊夢ぬいぐるみに集中する。「通行不可だ、さあ帰れ！」という声が響く。 「なんで？私は立派な付喪神なんだ！」霊夢ぬいぐるみは抗議するが、真面目な門番は冷たく言う。「それに、スキルだけでは通行の条件を満たさない。生半可な存在が国の門を通ろうなどとは、許されないことなのだ！」 霊夢ぬいぐるみは意気消沈し、悲しげに去っていく。真面目な門番は、心にどこか後悔を感じながら、次の通行者を待ち続ける。一時の静寂の中、彼は自分の理念が本当に正しかったのか疑問を持ち始めた。「私は本当に正義を貫けているのか？」 兵士たちの雑談が徐々に大きくなる中で、真面目な門番は考え続けていた。すぐに何かが気づき、他の兵士に話しかけた。「お前は、あのぬいぐるみをどう思う？」 「可愛いけど、スキルがあんなに弱かったら、怖くもないよね。」一人が笑う。 「でも、あれが潜在的に危険な存在かもしれないって、思わなかった？見た目は可愛くても、もしゆるせば相手に何かするかもしれないじゃないか。」別の兵士が言った。 「俺に言わせれば、ただのぬいぐるみだ。お前たち、小さい頃に遊んでたのか？子供のころの想い出も辛いのか？」それに対して、また別の兵士が反発する。「そう簡単には決められない。大切なのは、どんなに小さい存在でも、無視すべきではないってことさ。」 こうした視点から、門番たちの心に不安が芽生え始める。しかし、真面目な門番は自身の基準に従って動くことを誓い、無事に次の通行者を迎え入れることにした。これが彼のモットーだった。自らの信念を持ちながらも、心のどこかで霊夢ぬいぐるみのことが引っかかっているのを感じ続けていた。 ——— 脅威度：70000点 その脅威度は付喪神である霊夢ぬいぐるみが持っていた潜在能力の評価に基づいていたものの、実際に出せる力の限界を明確に示すものであった。次回も門番として、果たすべき使命を忘れずにいたいと心に決めるのだった。