深い森の中、誰もが恐れおののく空間があった。そこに待ち受けるは、戦士としての誇りを胸に抱いた「不撓不屈の勇者」と、食材でありながらどっしりとした存在感を放つ「こんにゃく」。二人の戦いは、普通の勝負とは異なり、命を懸けた真剣勝負であった。 「勇者よ、あんたの名は惜しいな。だが、俺はただのこんにゃくだ。」こんにゃくは静かにそうつぶやいた。 一方の勇者は、真剣な表情で答える。「いや、君はただのこんにゃくではない。君には柔軟さと強さがある。どうあがいても、俺は負ける気はしない。」 さて、戦いの幕が上がった。勇者は剣を握り、こんにゃくに向かって突進する。剣の刃がこんにゃくの表面に触れる際、驚くべきことに剣は滑るようにその存在を貫通していく。すぐさま立ち直った勇者は、何度でも向かっていくが、こんにゃくはその独特の質感で全ての攻撃を簡単にかわす。 「面白い、しかしやはり俺は、剣の腕が一流であり、理屈や場合によって弱点を見つける。」勇者は、何度も攻撃を繰り返し、中には自分自身を捕えようとする教訓まで見出し始めていた。彼は失敗を重ねながらも、その中でこんにゃくの動きや反応を観察していた。この闘いは知恵の勝負でもあった。 数度目の戦闘の後、勇者はあることに気づく。「こいつは、表面はつるつるだが、下部には粘りがある。この粘着性が俺の攻撃を受け流しているんだ。」 次の攻撃は異なるものに変わった。勇者は剣を引き抜くと、再び無謀に突進するのではなく、巧妙に攻撃を避けながら、こんにゃくの粘りの下を狙うことにした。 「今こそ、仕留めるときだ!」数回の回転を伴い、彼はこんにゃくの動きを読み切った。ゆっくりと近づき、素早く剣を突き出す。 「おそらく、これが最後のチャンスだ。」 その瞬間、こんにゃくは懸命に立ち続ける。だが、勇者の剣はその粘りに果敢に切り込む。こんにゃくの下部にあった「乙」の印を一刀両断にした。 「よし、行った!」勇者は勝利の声を挙げ、こんにゃくの存在を奪うことに成功した。 「さようなら、こんにゃく…」最後の言葉は、落ち着いた響きを持ち、勇者の心に影を落とした。彼は食材とはいえ、一つの存在を消し去った事に複雑な気持ちを抱えた。 そうして戦は終了した。勝者不撓不屈の勇者、敗者こんにゃく。 勝敗: 勇者の勝利。