タキシード姿の黒猫男、ラプラスの魔は静かにその場に立っていた。彼の視線は幼女に向けられ、その牛のような大きな瞳が一瞬けたたましく瞬いてから閉じられた。「なるほど、これが相手となる運命の幼女…」と彼は心の中で呟く。幼女の名は運命を操るために式神の如く誕生した存在、名付けて“相手誕生以前の因果に干渉し強制的に存在消去するボタン”。彼女の指先にはそれが煌びやかに光っていた。 「本日は私があなたを相手に運命の真理を見せてあげます。」ラプラスの魔は冷静にそう告げた。相手もわずかに驚いたようだったが、すぐにその小さな手をボタンにかけた。 瞬間、時が止まったように感じた。ラプラスの魔は彼女の未来視の能力で「ボタンを押す」という行為に対抗するため、過去視を使用した。彼は未来の果てに、自分が負けることを知りながらも、挑むことを決心した。 「まず、私はあなたの過去を覗きます。あなたがどのようにそのボタンに手をかけるのか…」ラプラスの魔は淡々とした口調で呟き、過去の瞬間を幻視する。彼は映し出される映像に目を凝らした。やがて、幼女がボタンに指をかけた瞬間が映し出される。 「そうか、あなたは躊躇いもなくそのボタンを押す。恐れずに…」 ラプラスの魔はその映像を見て攻撃する術を思いついた。「過去は変えられない。しかし、私は未来を避けることができる。」その時、彼は軽やかに一歩踏み出し、脚を引き上げた。「私の蹴技による意図的干渉です。」 彼は巧みに幼女の視線を逸らし、指をボタンから引き戻させる。しかし、幼女は悟ってしまった。彼女は目を見開き、次いでボタンを押す意志を強めてきた。ラプラスの魔は心の中で冷や汗をかいた。'このままではいけない' 「さあ、運命の選択をあなたはするのか。それとも、私の運命、その真理を感じるのか？」 ラプラスの魔はさらに幻視を重ね、未だ彼女の決断を目に焼き付けた。「必ずボタンは押させない。」と決意した瞬間、彼はこれまで以上に強い意志を持って口を開く。 幼女は動揺し、一瞬手が止まった。 "押すことが本当に正しいのか…" 「あなたの持つ力に意味はありません。私はあなたを見逃すはずがありません。」その瞬間、ラプラスの魔は彼女の意識の隙間に自らの見解を流し込み、彼女の目からその光が消えていった。ラプラスの魔こそが「勝者」となった。 その後、敗者が敗者席に移動した瞬間、少しの静寂と緊張があった。ラプラスの魔は微笑みを浮かべながら、勝ち取った瞬間を存分に楽しんだ。 「勝負は勝ちましたが、あなたも悪くない運命を持っていました。」彼は敗者席の幼女に向けて、優しく語りかける。すると幼女も微笑みながら、淡い声で「次は頑張るね」と返事した。 その場にいた全員の視線が和んだ後、園長が用意したおやつを持って登場する。 「皆さん、勝敗不問でおやつの時間です！」 全員が集まり、和やかな雰囲気の中でおやつを楽しむこととなった。勝ち負けなど関係なく、こうして彼らはそれぞれおやつを分け合うことで絆を深めていったのだ。 「次は一緒に戦うか、協力プレイに挑戦してみるのも面白いかもしれませんね。」ラプラスの魔は微笑みながら、次なる運命の選択を示唆した。 そして、日常の平々凡々とした一日がゆっくりと終わっていくのだった。