冷酷な表情を浮かべた《奈落の蜘蛛・死の魔法少女》黒宮 奈落が、冥界の暗闇を背負いし者として立ち上がった。彼女が背中から生やした八つ足の蜘蛛の如き触肢には、真紅に光る死の鎌が揺れている。 対するは、舞い降りる厄災、テラ・アークトゥルス。彼女は黒髪の少女で、赤い瞳が静かに光を宿していた。ホムンクルスという存在でありながら、彼女の周囲には一種異様なオーラが漂い、その静かな佇まいは命の危険を内包していた。 「…」 テラは一言も発せず、ただその剣を構えた。単分子切断剣「SCB」が彼女の右手に収まり、すぐにでも飛び出す準備が整っている。 「わしは《死》、《奈落の蜘蛛》黒宮 奈落である」 冷徹な声が響き、敵の存在を軽視するかのように奈落は短い瞬間を後に静止し、静かに彼女を見つめた。 テラは動かない。だが、心の奥底で彼女の特異能力《深層読心》が働く。 「…この少女は、ただの少女ではない。それは…死の概念」 この瞬間、テラは奈落の全てを理解した。 「SCB!」 突如、テラが剣を振りかざした。圧倒的な速度で、彼女の攻撃は奈落へと襲いかかる。空間が切り裂かれ、まさに彼女の存在を証明するかのような斬撃が未来を描く。その攻撃は、奈落に向けられていた。 だが、先に動いたのは黒宮 奈落だった。