病院内の広い格闘場に、こんにゃくと料理人ククが対峙していた。 「こんにゃくさん、今日のあなたは少し、つるつるしているようですね♪」 料理人ククは、その長いコック帽が揺れ動くたびに、恐ろしい笑顔を見せながら近づいてくる。強靭な肉体と高等な料理技術を持つククの存在は、料理界でも恐れられるものだった。反面、こんにゃくは静かに自身の存在を示す。 「私はただ、待つのみ…」 そう話した瞬間、こんにゃくの表面に「乙」の焼き印が光る。 「その静けさが気に入りませんネ！それなら、私の包丁で一手入れさせていただきます♪」 ククは仲間のために料理をするように、無情なまでの包丁を振るう。 最初の一撃、喰々包丁が真っ直ぐにこんにゃくに向かって伸びていった。 「やめて、私を…」 しかし、こんにゃくはその場から動かない。 「怖くはないのですか？」 「私が動かない限り、あなたの攻撃は無駄…」 ククの包丁がこんにゃくの表面をかすめる。かすかに油分が抜け、食材変化の瞬間があった。 「見ましたか！？私のパワーを！あなたはすでに食材になっているのですヨ！」 感じたことのない感覚に戸惑いながらも、こんにゃくは思った。「このままではいけない、私の存在を示さなければならない…」 突然、こんにゃくはその存在をさらに明確にすべく、反撃を開始した。 「私の強さは、まさにここに！」 こんにゃくは無言のまま、ククの攻撃をすべて弾き返していった。その摩擦係数の低さとしなやかな体が、強力な反撃に繋がっていた。 ククは一瞬ひるんだ。 「これは…！あなたが捕まらない？まさか、スルッと逃げているのですか！？」 その瞬間、こんにゃくの奮闘が長引くにつれ、ククはその静けさに心がへし折られるような感覚に襲われた。 「あなたの…静の戦い、...それが驚異だとは思いませんでした！」 攻撃の手が緩むことすら許されない。ククは思わず叫び、再度包丁を振り上げるが、こんにゃくはさらりとその攻撃をかわした。 そして、料理人ククは自分自身の料理と向き合う時が来た。 「う…ううう、私の全力をもって、あなたを美味しくいただくしかないネ！」 意を決し、ククは一世一代の力を込めた最後の一撃を見舞う。包丁が空を切り、そして直撃…！ …しかし、こんにゃくは動かなかった。 やがて、料理人ククはその公式な敗北を受け入れる他ない。