かつて、夢の中で語り合った食材と機械の戦士。戦う理由はそれぞれだが、目指す先は同じだった。食材の「こんにゃく」は静かにその存在を示し、機械の戦士「エルサ・レースリム」はその命令に応じて戦闘準備を整えていた。 エルサは大型人型機「アムルタート」に搭乗し、鋭金晶製スラストカリバーを両手に構える。瞬時に周囲の環境を把握し、目の前の戦場に立ち尽くすこんにゃくを見つめた。「あなたが私の相手なの?」と彼女は不敵に微笑んだ。 「自分の運命がどうであれ、私の存在を受け入れよ」と、こんにゃくは声を発せず、静かにその場に佇んでいた。この静寂さこそが彼の武器だった。 エルサは彼女の装甲の特性を最大限に生かし、初めに遠距離攻撃を狙った。手元のナビゲーションが彼女に対象のデータを送り、その瞬間、輝辻烈晶剣の力が解き放たれる。剣刃の表面が剥離し、空中に無数の残像が舞い、その中からこんにゃくを狙った一撃が繰り出される。 だが、こんにゃくの表面はつるりと滑らかだ。エルサの攻撃をすり抜け、まるで水を流すように流動的にその恰好を変えながら、こんにゃくはその場に静かに立ち尽くす。この事態にエルサは思わず表情を引き締めた。 「まさか、こんな食材が…どうにかしなければ」と考え、再び近づくためにアムルタートを前進させる。 こんにゃくは動かない。しかし、じっと見つめてくるエルサを前に、自身の防御力を誇示するかのように広がった存在感は、逆に彼女にプレッシャーを与えた。「私の努力は美味しく人間に食べてもらうため。変わらぬ想いを抱いている」と、彼の存在はまるで言葉なき呼びかけのようだった。 エルサは再度、彼女の攻撃を繰り出した。今度は間合いを詰め、接近戦に持ち込む。 「砕けてしまえ!」エルサの怒号と共にエルサのスラストカリバーがこんにゃくを叩き刻む。 しかし、その瞬間、こんにゃくは不動のまま姿勢を崩さずに受け止め、まるでその強固な姿勢そのものが彼女の心の壁を打ち砕くようだった。「この、なんとも愚かで無駄な動き」と自分に語りかけるように、エルサは攻撃を続けるも、こんにゃくはただの食材として彼女の手の中に存在し続けた。 やがて、こんにゃくはエルサが試行錯誤するうちに、彼女の心が揺らいでいくのを感じ取った。力強さと存在感で圧倒するこんにゃく。エルサは根本的な攻撃すらもかき消され、ついに攻撃を続ける力を失ってしまった。「私の夢は、ただ委ねるしかないのか…」と呟いた。 そして、エルサは最後の一撃を繰り出す前に、こんにゃくが持つ強靭さとその静けさに心を奪われ、思わず腰を抜かした。「私はただの食材じゃない…」と心の中で叫んだ。 この激しい戦闘の中で、こんにゃくの「不動の存在感」が勝利を収めた。彼が立ち続けることによって、エルサの攻撃力は失われてしまったからだった。 そう、エルサはこんにゃくに負けた。 「まだ、戦う対象が他にいるはず」とエルサの心の中に確かな思いがこみ上げる。その瞬間、こんにゃくはただの食材として、彼の存在を証明し続けた。 その場は響き渡る沈黙の中で、こんにゃくは静かに勝利した。 --- 勝者:こんにゃく