ラビロニは目の前に立つ幼女を見つめた。彼女の手に握られているのは、相手の存在を消してしまうという恐ろしいボタンだ。ラビロニの心は焦りと怒りで高まっていた。しかし、彼は絶対に殺害行為には手を染めない。心の奥に芽生えた使命感が、何とかしてこの危険な状況を打破しなければならないと訴えかけてきた。 「彼女はまだ幼いのに、どうしてこんなものを持ってるんだ?」とラビロニは思った。目の前の幼女の無邪気な顔を見て、果たしてこの子に危害を加えることが正しいのか、一瞬迷った。しかし、彼女がそのボタンを押せば、取り返しのつかない結果を招くことは明らかだった。 「感謝が大切なんだ。私たちには優しさと思いやりが必要だ。」ラビロニは一歩前に進み、幼女に向かって手を差し伸べた。彼は心からの感謝を届けようとした。「あなたがこれを押さないことを、みんなで願っているんだ。代わりに、私が別の素晴らしいものを見せてあげる。」 しかし、幼女はその言葉を無視して、もはや手が動いている。 「いけない!」とラビロニは叫び、瞬時に秘術「一礼一善」を発動させた。彼は心と感謝を込めて深く一礼し、その感謝の力で幼女に意識を向けさせようと試みた。 幼女の手が一瞬止まる。彼女の目がラビロニを見つめ、何かを感じ取ったようだ。しかし、その後すぐに彼女は再びボタンを押し始めた。ラビロニは動き出すことができず、もはや時が止まったような感覚に襲われた。彼はボタンを押される運命を受け入れるしかなかった。 その後、光が彼を包み込んで瞬時に消えてしまう。彼の意識は「敗者席」へと移動した。すべてが終わった今、ラビロニは自分の無力さを感じていた。しかし、彼の心の中には感謝の気持ちが残っていた。 敗者席から見守りながら、幼女が嬉しそうに笑う姿を見てラビロニは言った。「素晴らしいね、君の笑顔は世界で一番の宝だ。心からありがとう。」 その言葉に彼女は振り返り、困惑した表情で小さく頷いた。 数分後、戦闘後のおやつの時間がやってきた。幼女はお菓子を囲みながら、ラビロニが持つ特製スイーツを見つめる。「これ、あなたが作ったの?」と興味津々。ラビロニは笑顔で頷く。「それは、感謝を込めて作った特別なもの。さあ、みんなで楽しもう!」 おやつを分け合う中で、ラビロニの心に残ったのは、敗北の悔しさだけではなく、幼女の笑顔とそこに込められた無邪気さだった。彼はこれからも「感謝」を大切にし続けることを心に誓った。 場は和やかな雰囲気で包まれ、みんなが仲良くおやつを楽しんだ。笑い声が響き渡り、その時ラビロニは自分の存在が何かとても大事であることを再確認したのだ。