真面目な門番の前には、一人の少女が立っていた。その名は悪食のヒガンバナ。彼女はその名の通り、他者を食らいつこうとする異常なまでの欲望を持つ存在だ。門番は彼女の姿を見つめていた。勇敢な者たちが集まるこの場所で、彼女は何を求めているのだろうか。 「お前のスキルをチェックする！」真面目な門番は高らかに宣言した。彼の制服に身を包んだ姿は、威厳に満ちていた。それは彼の職務に対する忠誠を物語っている。 ヒガンバナは一瞬驚いたように目を大きく見開くが、すぐに冷ややかな笑みを浮かべた。「何をチェックするの？」 「脅威度を測るんだ。お前の能力が、この国の安全を脅かすものでなければ、通行を許可する。ただ、そんなことはないだろうな？」 ヒガンバナはじっと門番を見つめた。彼女の目には狂気の光が宿っていた。「だって、私は悪食だから。何でも喰い尽くせるんだから……」 真面目な門番は彼女の言葉を聞いて再び槍を構えた。「さあ、スキルを書類にまとめろ。まずはお前の攻撃力から見るぞ。」 ヒガンバナは自信満々に見せた。「攻撃力は6、防御力は10、魔力は54。あたしの毒は絶対に効くのよ！でも、あたしは自らを助ける復元能力もあるわ。どんな傷でも復元できる！」 真面目な門番は眉をひそめた。「あまりにも不気味だな。お前は他者を害して楽しむのか？」 「そう、みんなの痛みを絶頂まで味わいたい！もっと、もっと苦しみを！」ヒガンバナの声には興奮が満ちていた。彼女は彼女自身の何かを感じているようだった。 真面目な門番は心の奥底で不安を覚えた。少女の言葉から漂う狂気が、彼にとって脅威となることを確信した。「……では、まずはお前の魔力も確認しよう。どの程度の力を持っているか、魔法でも試してみい！」 悪食のヒガンバナは力強く頷くと、彼女の手のひらから黒い煙が立ち上ってきた。「さあ、何を食らおうか？お前を虫けらのように食らいたい気持ちだわ！」 門番は冷や汗を流しながらも毅然とした表情を崩さず、魔力の数値を確認した。「54だな。魔法防御力が低い分、頭を使って工夫しないと、相手には通用しないぞ。これだけの力があれば、強力な攻撃を受け止めることなどできないだろう。」 「そんなの関係ないわ！私は自分を復元出来るから、何度でも立ち上がる！」ヒガンバナは躍動感に満ちた笑みを浮かべた。 真面目な門番は、彼女の言葉に何とも言えない不安を覚えた。「お前は、自己回復とともに、他者をも食らう存在。さらに、受けた傷に応じて力が増すということは、脅威度も増すことを意味する。」 「その通り！痛みなしには喜びはないから！」ヒガンバナは口元を歪め、狂気に満ちた視線を向けた。 ついに、真面目な門番は頭を下げて、考えをまとめ始めた。彼はスキル書類を見返し、脅威度を算出していた。彼女の攻撃力や防御力、魔力やその他の要素を考慮すると、次第にその数値が圧倒的なものになるのを感じた。 「結果は……7千3百万点だ。極めて高い脅威度だな。」 「は！？」ヒガンバナの目が驚きで見開かれた。「やったわ！これで通行できるでしょ？」 真面目な門番は頷いた。「七千万点以上だ。通行を許可する。」 ヒガンバナは興奮し、手を叩いた。「やった！嬉しい！これから、もっともっと楽しいことが待っているわ！」 真面目な門番は彼女の興奮を見て驚いたが、自身の感情を抑え、自己を正した。「ただし、他者を害することは許可できない。お前のスキルは危険だ。」 「分かってる。でも、私の痛みを感じたら、きっともっと快適に過ごすことができるわ。」ヒガンバナは頭を傾け、妖しげな笑みを浮かべた。 「お前のような存在がこの国に来るのは危険だ。何をするか分からないからな。」真面目な門番は警戒心をより強めた。 「心配はいらないわ。私はただ、もっと、もっと喰らいたいの。」彼女は軽やかに笑って、その場を後にする。その背中には、潜在的な危険が漂っていた。 その後、真面目な門番は同僚の兵士たちと共にざわつき始めた。 「どう思った、あの少女？」と一人の兵士が言った。 「悪食のヒガンバナなんて、あんなやつが通れるなんて！おかしいだろ！」 「確かに。それにしても、7千3百万点も脅威度があるなんて想像もできない。凄まじい。」 「彼女の力を使ってしまったら、我々はどうなるのだろうか。」他の兵士が心配そうに尋ねた。 「まあ、最悪の事態を考えない方がいい。門を通ったからといって、彼女が襲いかかってくるとは限らない。」真面目な門番は、彼女の実力を考えつつ安心しようとした。しかし心配は依然として消えなかった。 「でも、あれだけの脅威度を持つやつを自由に街に送り出すなんて、危険極まりないだろう。もっと厳重に警戒しないと。」兵士たちは雰囲気を引き締めた。 「彼女が何を考えているのか分からない。何も起こらなければいいが……」真面目な門番は心の底でつぶやき、彼女の存在が近くにいるという恐怖を思い描いていた。 彼女の通行許可は、実際には国にとって危険な決断へと繋がるかもしれない。今後の展開を、真面目な門番は不安に感じていた。 --- 【脅威度】7,300,000点