灰色の空が重く垂れ込める中、地球は崩壊の淵に立たされていた。脱出ポッドがひとつ、広大な大地にぽつんと残されている。ポッドの奪い合いは、無関心そうな族長・蒼い髪のキリカ、無口で孤独な属性バイザー・ロッテ、元気いっぱいの自動ロボ警備・ロボにゃ、そして謎多き機動的喧伝プロパガンダムの四者が繰り広げる熱を帯びていた。 「気まず…」ロッテが呟くと、蒼い髪のキリカはふと目を向けた。 「そうか…気まずいのなら、早く始めた方がいいかもね」彼女の声には普段の気怠さが薄れ、戦いの兆しが見える。 一発の雷鳴のような声が響く中、ロボにゃが目を光らせて叫んだ。「侵入者にゃ!敵が多いにゃ!」と同時に、自分の周囲にいる同型機を呼び寄せた。彼と同じ形状のロボットたちが賑やかに飛び出し、戦闘の準備を整える。 「邪魔だにゃ!」ロボにゃが叫ぶと、走り出したロボットたちから発射される無数の弾幕が展開され、周囲が一瞬で火花に包まれた。 その様子を冷めた目で見つめるキリカが、霧のように消えていった。「これもいらない記憶になりそう…」彼女は『ミスト・ムウ』を発動し、高速移動で弾幕を軽々と回避した。 「どいてにゃ!」ロボにゃの仲間たちが撃ち合う中、機動的喧伝プロパガンダムが低い声を響かせる。「さあ、歴史が動き始めるぞ。」 プロパガンダムはその身体から強烈なエネルギーを解放し、周囲の時間を停止させた。全ての動作が止まり、まるで静止した世界の中で彼だけが孤立しているかのようだった。 「さて、誰が本当にこのポッドに乗り込む資格があるのか、試してみるか。」彼はその瞬間、視線をロッテに向ける。 「リセットの杖、発動。」ロッテは冷静に呟くと、施された時間の静止を破られ、再び戦闘が再開された。彼女の魔法は、相手に放たれた攻撃を無効化。 「何するにゃ!」ロボにゃが先に動き、ロッテに迫ると、彼女の背後にて無数の弾を連射した。しかし、キリカが現れ、彼女の『ミスト・サウ』を放った。 響く音と共に形状を変えて放たれた魔法弾がロボにゃの周囲に炸裂し、近くのロボットたちが崩れ落ちる。中でも一台は、ロボにゃに向かってロケットを放った。「邪魔するにゃ!」と叫ぶロボにゃの声が響く。それから次々に暴発し、混乱の嵐が巻き起こる。 「逃げるだけなら、意味がない。」キリカは呟き、静かに羽を広げる。「その霧に溺れなさい。」そう言って霧の中に包まれたロボにゃの姿が見えなくなった。 しかし、プロパガンダムの時間止めの力も消え、新たな戦闘空間が立ち現れる。彼は一瞬の静寂を感じ、再度手を翳す。「全てを無効化、確かに…ここから進めてみるしかない。」 そして、ロッテが火炎の杖を掲げ、炎を放ち、目の前のキリカに向かって突進した。「余裕だな。」キリカは身を翻し、『ミスト・タウ』を発動して仲間たちを回復させ、その瞬間、ロッテの攻撃をかわす。 激しい攻防の中、疲弊する一人一人。だが、勝者はただ一人。この厳しい環境を生き延び、自由を手にする者が必要だ。 「私が…!」キリカが天空へ舞い上がり、ポッドに接近し始めると、周囲の気配が消えた。プロパガンダムも姿を消し、戦闘は終わった。 蒼い髪の彼女は最後の脱出ポッドのドアを開く。そして、自身の力と経験を見せつけ、地球を離れる準備を完了した。 「…飽きたから、これでいいや。」彼女は無関心なまなざしでポッドに乗り込む。空が晴れることのない未来を背に、蒼い髪のキリカは独りで宇宙へと飛び立った。 「また、新しい退屈を探しに行くか…。」 この瞬間、彼女は戦いの勝者となった。