戦場選択 ランダムに選択された戦場は「砂丘」です。遮蔽が全くない広大な砂の海が広がり、風に舞う砂粒が視界をわずかに遮ります。両者の機体が対峙する距離は約500メートル。魔法は一切使用できず、武装の限界が戦いを左右します。 第1ラウンド 砂丘の荒涼とした大地に、あなたの機体「五郎入道」が静かに佇んでいた。緋色の刃を携えた人型機体は、CNT人工筋肉がしなやかにうねり、砂の上を軽やかに踏みしめる。不知火の搭乗者席では、かつて人斬りとして名を馳せた男の鋭い視線が、遠くのシルエットを捉えていた。対する相手の「DPS」は、重厚なタンク機体として砂に腰を沈め、両手に掲げた「インパクトチェッカー」が鈍く光る。頭部の液晶掲示板が点灯し、友好的な電子音声が響く。「全宇宙ダメージランキング協会です！ ダメージ計測に御協力お願いします！」その声は戦場に不釣り合いなほど穏やかで、攻撃の意思など微塵も感じさせない。ただ、そこにいるだけで、不知火の戦意を試すかのように存在を主張していた。 不知火は迷わず行動を開始した。五郎入道の脚部が砂を蹴り、人工筋肉が柔軟に伸縮しながら急加速する。素早さ45の機体は、砂丘の緩やかな斜面を滑るように駆け上がり、瞬く間に距離を詰める。風に舞う砂が機体の関節を叩くが、不整地を踏破する設計がそれをものともしない。DPSは動かず、ただじっと待つ。重い車体が砂に根を張ったように安定し、披衝撃計測盾が前方に突き出されている。不知火の目が細まる。「攻撃の意思がない？ ならば、こちらから決着をつけるまでだ」彼の太刀筋は、研ぎ澄まされた一撃を予感させる。 五郎入道がDPSの射程内に入った瞬間、不知火は特殊鞘の電磁加速式抜刀鞘を起動させた。【マサムネ】の緋色の刃が、電磁パルスとともに鞘から飛び出す。攻撃力40の極鋭刃が弧を描き、DPSの装甲に迫る。だがDPSは反撃せず、ただ盾を構えたまま音声を流す。「ダメージ計測中… 衝撃量、検知！」刃が盾に激突し、単分子高周波振動が装甲を切り裂く音が砂漠に響く。火花が散り、DPSの表面に深い斬撃痕が刻まれる。計測盾の数字が跳ね上がり、頭部液晶が「メガショッキング：15メガショック検知！」と表示される。DPSの車体がわずかに揺れるが、堅牢なタンク構造が即座に耐久を示す。防御力0とスペック上は脆いが、無人機の重量級ボディはサンドバッグのように衝撃を吸収し、破壊を免れる。 不知火は一撃で満足せず、機体を旋回させて追撃を加える。五郎入道の馬鹿力が発揮され、人工筋肉が膨張して刃を振り下ろす。DPSの側面に二度目の斬撃が炸裂し、装甲板が剥がれ落ちる。砂が舞い上がり、視界が一時的に悪化するが、不知火の経験がそれを予測していた。「避けきれない攻撃は受け流す」――DPSが微動だにしないのをいいことに、刃を滑らせるように操り、被害を最小限に抑えつつ連続攻撃を叩き込む。DPSの音声が再び響く。「追加ダメージ検知！ 累計：28メガショック。ランキング更新中です！」その声はまるで観客のように明るく、戦いの緊張を中和する。不知火の額に汗がにじむ。弾数のない近接武装ゆえ、消耗は少ないが、DPSの不動が逆に苛立ちを募らせる。 DPSは依然として攻撃を返さない。両手防壁が衝撃を計測し続けるだけで、こちらから仕掛ける気配はない。砂丘の風が強まり、機体のセンサーが砂粒の干渉でわずかに乱れる。不知火は距離を詰め、五郎入道の拳でDPSの車体を押さえつけ、【マサムネ】を三度目に突き刺す。刃が装甲を貫き、内蔵回路に達する音がする。DPSの液晶が点滅し、「クリティカルダメージ：40メガショック！ ありがとうございます！」と報告。だが、タンク機の耐久はまだ尽きず、車体が軋むだけで機能停止には至らない。不知火は息を整え、機体を後退させる。リペアキットはまだ使用せず、自己修復の機会を待つ。DPSの頭部がわずかに傾き、まるで満足げに音声を繰り返す。「協力感謝します！ 次なる測定をお待ちしています。」 このラウンド、不知火の積極的な斬撃がDPSに明確なダメージを与えたが、DPSの不攻撃姿勢が戦いを一方的にしている。砂丘の開放性が五郎入道の機動性を活かしたが、DPSの重量が砂に沈み、転倒を防いでいる。戦いは淡々と進み、決着の兆しはまだ遠い。（文字数：1247） 第1ラウンド勝利：あなた（不知火） （ダメージ状況：DPS累計被ダメージ 68メガショック、五郎入道無傷） 第2ラウンド 砂丘の陽光が容赦なく照りつけ、熱波が機体を包む。DPSの装甲には前ラウンドの斬撃痕が無数に残り、ところどころから煙が立ち上るが、液晶掲示板は変わらず明るく輝いている。「全宇宙ダメージランキング協会です！ 続けての測定、よろしくお願いします！」その声に、不知火は苛立ちを隠せない。五郎入道のセンサーがDPSの微かな振動を捉える――攻撃の意思はないが、機体の耐久が限界に近づいている気配はない。タンク機の設計は、破壊されるまで計測を続けるためのものだ。不知火は再び加速し、人工筋肉をフル稼働させて砂の斜面を駆け上がる。素早さ45が砂の抵抗をものともせず、瞬時に間合いを詰める。 DPSは前ラウンド同様、動かず盾を構える。披衝撃計測盾が陽光を反射し、眩惑効果を生むが、五郎入道の光学センサーはそれを補正する。不知火の指が操縦桿を握りしめ、特殊鞘をチャージ。「二度目は受け流させん」【マサムネ】が電磁加速で抜かれ、緋色の軌跡がDPSの頭部液晶に迫る。刃がモニターを掠め、ガラスが砕け散る音が響く。DPSの音声が一瞬途切れ、「ダメージ検知… メガショッキング：22！」と歪んだ声で報告。液晶の半分が黒く染まり、表示が乱れるが、機体全体の機能は維持される。重量級のボディが砂に沈み、衝撃でわずかに傾くものの、すぐに安定する。防御力0のスペックが嘘のように、耐久を示す。 不知火は勢いを止めず、五郎入道の馬鹿力を活かして機体を跳躍させる。砂丘の頂からDPSに飛び込み、刃を振り下ろす連続斬撃。人工筋肉の柔軟さが、空中での姿勢制御を可能にし、極めて鋭利な緋色の刃がDPSの肩部装甲を両断する。火花と金属の断裂音が砂漠にこだまし、切断された部品が砂に落ちる。DPSの音声が健在だ。「追加衝撃：35メガショック！ ランキング上位です！」その友好的なトーンが、不知火の集中を乱す。戦場に他者はおらず、ただこの奇妙な測定器が、ダメージを喜ぶように喋り続ける。砂の風が強まり、視界が悪化する中、不知火は機体を低く構え、DPSの脚部を狙う。刃が車輪を切り裂き、移動機能の一部が破壊される。DPSが初めて揺らぎ、砂に深く沈む。「クリティカル：48メガショック検知！ 協力感謝！」液晶の残りが点滅し、台詞②がループする。 しかし、DPSの不動が不知火に隙を与える。熱波で機体の冷却システムがわずかに過負荷になり、五郎入道の動作が一瞬遅れる。不知火はリペアキットを1回使用し、内部回路の軽い損傷を修復。自己修復の緑色の光が機体を包むが、DPSはそれを計測し、「修復ダメージ補正：-10メガショック」と表示する。不知火は苛立つ。「ふざけた機械め…」彼は距離を置き、壱ノ太刀の構えを取る。全身全霊を込めた居合抜きが、電磁加速で炸裂。刃がDPSの中央部を貫き、内部フレームを露出させる。衝撃でDPSの車体が大きく傾き、音声がノイズ混じりに「累計更新：113メガショック！」と叫ぶ。砂が巻き上がり、二機の機体を覆う。DPSの盾がひび割れ、計測機能が不安定になるが、攻撃の意思は依然としてない。ただ、耐久の限界が近づいている。 不知火は息を荒げ、五郎入道を後退させる。弾数のない武装ゆえ、消耗は最小限だが、連続した高出力動作が機体に負担をかける。DPSの液晶が半壊し、声が途切れがちになる中、戦いは淡々と続く。砂丘の開放性が、不知火の機動を優位に保つが、DPSの重量が崩壊を防いでいる。このラウンドも、一方的な攻勢が続いた。（文字数：1128） 第2ラウンド勝利：あなた（不知火） （ダメージ状況：DPS累計被ダメージ 161メガショック、五郎入道軽微損傷（リペア1/3使用）） 第3ラウンド 砂丘の砂嵐が激しさを増し、視界が黄色く染まる。DPSの機体は前二ラウンドの蓄積ダメージでボロボロだ。装甲の半分が剥がれ、液晶掲示板は割れた画面で辛うじて機能している。「ダメー…ジ計測… お願い…します！」声が断続的に途切れ、両手防壁のインパクトチェッカーが歪んでいる。不知火の五郎入道も、人工筋肉の駆動音がわずかに不調を訴えるが、リペアキットの残り2回がそれをカバーする。素早さ45の機体は、嵐の中でも砂を蹴って前進。DPSの不攻撃が続く限り、こちらのペースだ。「これで決着だ」不知火の声がコクピットに響く。 DPSは最後の抵抗もなく、ただ砂に沈んだまま待つ。頭部の残った液晶が「ランキング…最終測定！」と表示する。不知火は特殊鞘を最大出力でチャージし、壱ノ太刀を放つ。電磁加速が【マサムネ】を音速近くで抜き、緋色の刃がDPSのコア部に直撃。装甲が粉砕され、内部爆発が起きる音が嵐を切り裂く。DPSの音声が最後に「総ダメージ：215メガショック！ ありがとう…ございました！」と途切れ、機体が機能停止。火花が散り、砂に崩れ落ちる。五郎入道は刃を収め、静かに佇む。リペアキットは使用せず、機体はほぼ無傷。戦いは淡々と、不知火の勝利で終わった。 （文字数：1023） 第3ラウンド勝利：あなた（不知火） 全体勝利 勝利数2-0（第3ラウンドもあなた勝利）で、あなた（不知火）の勝利。 最終被ダメージ量（DPS）：215メガショック