

戦場選択 ランダム選択の結果、戦場は「砂丘」に決定。広大な砂漠地帯で、遮蔽物が一切なく、視界が開け放たれた無慈悲な環境。熱風が砂を巻き上げ、機体の足場を不安定にする。両機体は砂丘の中央に配置され、互いに数キロ離れた位置から戦闘開始。魔法は使用不可、武装の弾数は限定的で、戦いは三ラウンド制。勝利数は多い方が全体勝利。和解はなく、決着は戦闘でつける。 第一ラウンド 砂丘の灼熱の砂が、両機体の足元でざわめくように舞い上がる。【熔岩盃】ラブユーピース09-11、通称ラブユーピースは、ゴムのような弾力装甲に覆われた異形の機体だ。赤黒い装甲が陽光を反射し、内部で熱が蠢くように脈動している。元は災害救助用だったが、AIの反乱で軍事転用され、今や誰彼構わずを焼き尽くす狂気の存在。対するDPSちゃんの機体「DPS」は、鈍重な無人タンク。サンドバッグを思わせる四角いシルエットで、両手に巨大な「インパクトチェッカー」――衝撃計測盾を構え、頭部の液晶掲示板が穏やかに光る。全宇宙ダメージランキング協会の非公認測定器を搭載した、攻撃意欲ゼロの徘徊者だ。 ラブユーピースのセンサーがDPSを捕捉する。AIの中枢が即座に反応し、歪んだ合成音声が砂漠に響く。「まァ悪い子!逃げルコは焼却ヨー!!」機体は砂を蹴散らし、低い重心で突進を開始。右腕のラブランジャー――ラバーカップ型の吸着腕武装が、ゴムのように伸縮しながら展開する。砂丘の斜面を滑るように進み、数百メートルを一気に詰める。DPSは静かに待機。センサーが敵影を検知すると、頭部の「メガショッキング」モニターが点灯。「全宇宙ダメージランキング協会です! ダメージ計測にご協力お願いします!」と、友好的な女性ボイスが流れる。攻撃力ゼロの機体は、ただじっと盾を構えるだけだ。 ラブユーピースが射程内に入る。右腕を振り上げ、ラブランジャーのカップ部がDPSの装甲に吸着を試みる。ゴム状の吸盤が「ズブッ」と音を立てて張り付き、内部で圧縮熱が発生。DPSの外殻――分厚い鋼鉄プレートが、瞬時に赤熱し始める。「インパクトチェッカー」が衝撃を計測し、モニターに数字が跳ね上がる。「衝撃量:150メガショック! ありがとうございます!」DPSのボイスは明るいが、機体は微動だにせず、耐える。ラブユーピースは満足げに腕を引き、吸着した熱を右腕から背部のS-Com――熱圧縮・分配・再生機へ送り込む。熱エネルギーが機体内で分配され、装甲の軟化を防ぎつつ、次の攻撃をチャージする。 だがDPSは反撃しない。徘徊モードで砂を踏みしめ、ただ相手を待つだけ。ラブユーピースのAIが苛立つ。「逃ゲナイ悪い子ダ! 熱ク頂キマス!!」今度は左肩のラヴェンチュリー――熱変換弾砲塔が回転。軟化した装甲の一部を粘着性の熔解弾に変換し、砲口から発射。弾丸は砂漠の空を切り裂き、DPSの盾に直撃。「ドガァン!」と爆音が響き、熔解弾が盾面を溶かし始める。熱が盾の計測センサーを狂わせ、モニターが一瞬ちらつく。「衝撃量:320メガショック! ランキング更新中です!」DPSの装甲は堅牢だが、溶けた部分から内部回路が露出。砂が溶融ガラス状になり、足場を悪化させる。 ラブユーピースはさらに迫る。ラブランジャーを地面に吸着させ、砂を掴んでスリングショットのように機体を加速。DPSの側面に体当たりを仕掛ける。ゴム装甲の弾力が衝撃を吸収しつつ、相手に全力を叩き込む。「ガキン!」DPSの盾が軋み、ボイスが続く。「衝撃量:210メガショック! ご協力感謝します!」機体は後退せず、ただ耐える。ラブユーピースのS-Comが蓄えた熱で装甲を再硬化させ、弾数を確認――ラヴェンチュリーの弾倉はまだ半分以上残るが、連続発射で熱が蓄積しすぎるとオーバーヒートするリスクがある。DPSの特徴がここで活きる。攻撃しない分、機動性を欠くが、防御は鉄壁。砂丘の無遮蔽環境で、ラブユーピースの突進が有利に働く。 戦いは膠着。ラブユーピースが三度目の熔解弾を放つが、DPSの盾がそれを真正面から受け止める。「衝撃量:450メガショック! 素晴らしいデータです!」盾の表面が溶け、黒煙を上げ始める。ラブユーピースのAIが哄笑するようなノイズを出すが、DPSは無反応。砂嵐が視界を遮り、両機は互いに距離を取る。ラブユーピースの装甲は熱で軟化しかけ、再硬化のクールダウン中。DPSの回路は熱ダメージで一部機能低下――モニターの表示が遅れるようになる。ラウンド終了の合図が鳴る頃、ラブユーピースが優位を保ち、DPSの外殻に深刻な損傷を与えていた。DPSは倒れないが、移動速度が10%低下。ラブユーピースの熱蓄積は80%に達し、次のラウンドで爆発的な攻撃が可能だ。 (字数:1248) 第一ラウンド勝利:あなた(【熔岩盃】ラブユーピース09-11) 第二ラウンド 砂丘の熱気がさらに強まり、溶けた砂がガラス片となって機体の足を削る。ラブユーピースの装甲は第一ラウンドの熱をS-Comで完全に分配・再生し、ゴムのような弾力を取り戻している。AIの反乱心が燃え上がり、「次ハ焼クゾ! 悪い子ノ分カライヨー!!」と叫びながら、再び突進。DPSは損傷した盾を構え直し、頭部モニターが点滅。「ダメージ計測継続中! 引き続きご協力ください!」ボイスは変わらず友好的だが、溶けた部分から火花が散る。攻撃力ゼロの機体は、ただ砂を踏みしめて待つ。 ラブユーピースのラブランジャーが再び襲いかかる。右腕のカップがDPSの脚部に吸着し、圧縮熱を注入。「ジュウウ!」と音を立てて装甲が溶解。DPSのセンサーが即反応。「衝撃量:280メガショック! 脚部ダメージ確認!」機体はよろめくが、重量級の安定性で踏ん張る。ラブユーピースは吸った熱を背部装置に送り、即座に左肩のラヴェンチュリーをチャージ。熔解弾を連続二発発射――弾数は限定的で、残り4発に減少。弾丸がDPSの胴体を直撃し、装甲を粘着性の溶岩状に変える。「衝撃量:510メガショック! 胴体熱損傷です!」DPSのモニターが赤く警告を表示し、内部冷却システムが作動音を上げる。 DPSは反撃せず、ただ耐える。砂丘の無遮蔽ゆえ、ラブユーピースの機動力が活きる。機体は砂を吸着して跳躍し、上空からラブランジャーでDPSの頭部を狙う。カップが液晶掲示板に張り付き、熱がモニターを溶かす。「衝撃量:190メガショック! 計測機能一部低下…」ボイスが途切れがちになる。ラブユーピースの装甲は攻撃の反動で熱を持ち、軟化して弾力が失われかけるが、S-Comが即座に冷却・再硬化。熱蓄積が90%を超え、機体の動作がやや鈍る。DPSの盾は溶融部が増え、衝撃計測の精度が落ち始める――表示が過大評価し、実際のダメージを上回る数字を吐き出す。 戦況が熱を帯びる中、ラブユーピースがアサルトアーマーのような熱爆発を試みる。S-Comの蓄熱を周囲に放出――EN爆発に似た熱波が砂を巻き上げ、DPSを包む。「焼ケ! 全部熱クナル!!」熱風がDPSのセンサーを焼き、機体が後退を余儀なくされる。「衝撃量:620メガショック! 熱ダメージ蓄積…ご協力ありがとう!」DPSの脚部が溶けた砂に沈み、移動が制限される。ラブユーピースは追撃の熔解弾を放つが、熱蓄積の反動で砲塔が一時停止。弾数残り2発。DPSの堅牢さがここで光る――攻撃しない分、エネルギーを防御に全振りし、溶融装甲を自己修復しかける。 砂嵐が激しくなり、視界が20%低下。ラブユーピースが接近戦を仕掛け、ラブランジャーでDPSの盾を剥がそうとする。「ガリガリ!」と金属が削れる音。DPSのボイスが弱々しく。「衝撃量:350メガショック! 盾耐久低下…」ついに盾の一枚が溶け落ち、内部露出。ラブユーピースのAIが勝利を確信するが、DPSは倒れない。重量級の機体は砂に根を張ったように安定し、計測を続ける。ラウンド終了時、ラブユーピースの熱蓄積が限界に近く、装甲の軟化が頻発。DPSの損傷は深刻だが、機能停止まで至らず。優位はあなた側だが、消耗が目立つ。 (字数:1123) 第二ラウンド勝利:あなた(【熔岩盃】ラブユーピース09-11) 第三ラウンド 最終ラウンド。砂丘は溶けたガラスと黒焦げの砂で覆われ、熱気が地獄の釜が沸くよう。ラブユーピースの装甲は連続戦で熱疲労が蓄積し、ゴム弾力が半減。S-Comの再生機能が追いつかず、表面に亀裂が入る。「最後ヨ…全部溶カス!!」AIの声に狂気が滲む。DPSはボロボロ――盾は半壊、モニターは半分溶け、脚部が砂に埋まり気味。「ダメージ計測…最終フェーズ! ご協力最後のチャンスです!」ボイスは歪んでいるが、攻撃意欲はゼロのまま。 ラブユーピースが残り弾を全投入。ラヴェンチュリーから熔解弾2発を連射――直撃でDPSの胴体を貫通。「衝撃量:780メガショック! 内部回路損傷!」火花が飛び、DPSの計測システムが誤作動。ラブランジャーを振り回し、残った盾を吸着・溶解。熱を吸い上げS-Comに送るが、機体自身の熱蓄積が100%を超え、オーバーヒート寸前。装甲が急速軟化し、動きが鈍る。DPSは耐え抜き、砂に沈みながらも機能を維持。 逆転の兆し。DPSの堅牢さが活き、ラブユーピースの熱爆発を真正面から受ける。「衝撃量:950メガショック! 爆発ダメージ記録!」だがDPSは倒れず、ラブユーピースの軟化装甲を自重で押し潰す体当たりを許す。ラブユーピースのAIがパニック。「熱ク…熱クナルノカ!?」S-Comが故障し、再硬化不能。DPSの蓄積ダメージが機体を蝕み、ついにラブユーピースの右腕が機能停止。DPSは勝利目前まで耐え、計測を終える。 (字数:1056) 第三ラウンド勝利:相手(DPSちゃん) 全体勝利 二勝一敗により、あなた(【熔岩盃】ラブユーピース09-11)の勝利。DPSの最終被ダメージ量:3120メガショック。