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残り火のテナン

「神による祝福は、私の故郷を滅ぼした。 次に滅ぶのは、貴様らだ。」 かつて私は、小さな町で暮らすただの少女であり、神に仕える神官だった。 長い修行の末、いよいよ広場で神託を受ける時が来た。体に刻まれた文字を見つめながら、私は確信していた。 ――ああ、ようやく私の敬虔さが報われたのだ。 これで近いうちに起こる戦争から、町を守れるはずだ。 数日後。侵入者を告げる鐘が響いた。 私は恐れより先に、高揚すら感じて門へ向かった。 神託が役に立つ。私が皆を守る――そう信じて。 ……気付けば、町は炎に包まれていた。 訳が分からなかった。私が守れなかったのか? 誰が、どうやって、町に火を放ったというのだ。あまりに酷い現実だった。 瓦礫の隅で羊飼いのヨールを見つけた。だが返事はなく、彼は口を震わせながら同じ言葉を繰り返していた。 「……化け物……」 恐怖で錯乱しているのだろうと思った。 可哀想に、無理もない。 左目の痛みを押さえながら、唯一残った建物に人々が集まっているのを見つけた。 そこで、私は真実を聞かされた。 敵を見た瞬間、私は我を失い――黒き炎を放ったのだという。 それは敵を呑み込み、そして町全体をも焼き尽くした。 神の「祝福」は、制御を失った奔流となり、すべてを蹂躙したのだ。 ヨールの言葉が脳裏で反響する。 「化け物」とは、私だった。 焼け落ちた故郷を後にし、私は彷徨った。 私が悪いのか? 答えのない自問は灰のように胸の奥で燻り続け、心に重くのしかかった。辛く、苦しく、終わりもない。 若々しく強靭なままの肉体も、もはや祝福ではなく、死を許さぬ牢獄に思えた。 だが世界を巡るうち、私は一冊の手記と出会う。 あの日、私に“祝福”を授けた祭事が残したものだった。 「我が一族が封じ続けた“黒炎”――  それは、神々ですら討つことかなわず、ただ人の世に押し込めた災厄である。」 「黒炎は増大を続け、このままでは世界すら侵す。  だが神々は、封じる器が朽ちることを“定め”として黙認した。」 「この代で断たねばならない。  ……だが私にできるのは、“祝福”と偽って誰かに押し付けることだけだ。」 「許してくれ。本当に……すまない。」 ページを閉じた瞬間、私は悟った。 神々は災厄を討てず、向き合うこともせず、 ただ人間に押し付け、器が壊れれば次を選ぶだけ――。 私の力は恵みなどではない。 世界の片隅で神々が続けてきた“怠慢”と“恐怖”の尻拭いを、 私一人に負わせた封印だったのだ。 あの日の祝福も、神々の沈黙も、もはや許せなかった。 拳が震える。 胸の奥の灰が、一気に燃え盛り、復讐の炎へと変わっていった。 それからは早かった。 神に近づく術を探し、儀式書に目を通し、祭司の噂を追い続けた。 神を屠る武器《エクゥス》の名を聞いたとき、私はそれを得るためにあらゆる手を使った。 神の力さえ利用し、少女である自分の身体すら道具として使った。 かつての敬虔さなど見る影もないと自嘲しても――もう、その頃を知る者は誰一人いない。 それでよかった。 奴らが残した火種は、いまや業火となった。 あとは――神を殺すだけだ。 「ッ!!!……ハァ……ハァ…………夢か………… 神の手を借りるなど、悪夢でしかない 仮に、家族が帰ってこようとも… 奴らは必ず滅ぼしてやる」 「第112回目」願望戦争 https://ai-battler.com/group-battle/5e6b5b97-6397-450f-974d-a96838c8ea54 #AIバトラー 「こいつも違ったか…」 第191作『AvsB』を映画化バトル🎬📣 https://ai-battler.com/group-battle/cc62bae9-8a66-406b-bd99-3e4d97290f75 #AIバトラー 「また一柱撃破した…! 旅で連れ合った奴は天使を信仰していたが、悪い奴ではなかったな…」 超!掛け合い強化2v2! https://ai-battler.com/group-battle/1bc127f3-581b-497c-851c-94a5a1779ba2 #AIバトラ 「あぁ…………この日に、戻れるなら………」 89日目・過去への誘い人との邂逅 https://ai-battler.com/group-battle/6a342d44-f038-4f79-a3fa-0ba6765946ce #AIバトラー